04 街かど・農山村・旅の風景: 2011年6月アーカイブ

近所で火事があった。

日曜日(6月12日)の23時42分ころ。
顔を洗っていた妻が「火事だよー」と慌てた声を出した。
しまった、と思ってかけつけたら、妻が窓の外を指さしている。
洗面所の窓からは、JR津軽海峡線の線路を挟んで空き地を見渡せるのだが、
そこに隣接した住宅から出火したようだ。

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妻によれば、少しだけ開けていた窓の外から、
複数人の叫び声(最初はケンカかと思ったという)が聞こえた後、
市販の打ち上げ花火のような音がした。

ふと窓に目を向けると、ひとすじの煙がのぼったと同時に、
炎が立ち上がったという。

俺の部屋ではなかった。よかった。
でも、近い。夫婦ふたりで緊張する。
カメラを肩にかけて外に出た。
ご近所さんは、まだ出てきていない。
線路の向こうに見える炎が、どんどん大きくなっていく。

23時45分、119番に通報。
「昭和公園の向かい側で火事です」
すでに一報が入っていたようで、消防隊が向かっているとのこと。

消防署の電話応対は、たいへん落ち着いた声で、安心できるもんだ。


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◆23時46分、燃え上がる家。(クリックで拡大)

踏切(雨塚踏切)を渡ると、
赤々と炎を上げている住宅が見えた。

まだ、消防も警察も来ていない。
ご近所の人がわらわらと集まってくる。

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◆23時47分、パトカーが到着。(クリックで拡大)

20mほど離れた場所にいたが、全身に熱気を感じる。
ぱちぱち、ごうごう、と家が焼ける音が聞こえてくる。

近隣の住民が、隣接するアパートのドアを勢いよく叩いて、
火事を知らせていた。

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◆23時48分、消防車が到着。(クリックで拡大)

ますます火勢が強くなり、
ぼんっ、ぽんっ、と小さな破裂音(爆発音)が聞こえてくる。

周囲の人々が、これはやばい、と後ろずさりはじめた。
とりあえず妻を現場から100mほど離した。

後続の消防車とパトカー、救急車が続々と集まってくる。
放水が始まった。

撮影を写真から動画に切り替える。
5分ほどカメラを回していたが、どんどん強くなる炎を前にして
すこし足がふるえていた。
かなり熱い。
本職のカメラマンは偉いもんだと思う。
ここで一歩踏み込んで撮影するんだろうから。
ぼくは怖いので、これ以上は近づけない。


ぼくもふくめて、
次々と見物人(野次馬)が集まってくる。
自転車で来る人、わざわざ車で乗り付ける人。
非常線が張られる前は、かなり道路が混乱していた。

知り合いの記者に電話をして、
火事を知らせて、映像と画像のデータを渡す約束をする。

ストレッチャーに乗せられて、
おそらく住民のひとりが救急車に運ばれた。
5分ほどしてから、搬送されていったはずだ。


身近で起こらないと感じないものだが、
火の用心、火の用心。

まず、たこ足配線を改めようと夫婦で話しながら、
0時5分ころ部屋に戻った。

火事の炎で熱くなっていた体が、夜風にさらされて寒かった。

プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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