2017年12月12日(火)糖尿病・腎臓病での入院 12日目

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 毎晩なのだが、廊下の向こうからおじいさんの呻き声が聞こえてくる。おそらく認知症でもあるのだろうか、昼間は「かあさん、かあさん! おい! 誰がいねがー!」とナースコールも押さずに何度も叫んでいる。乱暴な口のきき方をしたかと思えば、急にしおらしく重症患者のような悲鳴を出す。看護師さんたちは献身的ではあるが、多忙なタイミングだとすこし持て余し気味のようだ(看護師によって対応が異なる)。ただ、徘徊されて転んでケガでもされると看護師さんの責任になるのだろうから、なかなか難しいものである。
 人は晩年を幸せに生きるために、私たちはどんな準備や心構えが必要なのだろうか。おじいさんの声を聴くたびに、そんなことを考えてしまう。ましてや、ここ日本の老後環境には、あまり過大な期待はできない。

 7時起床。血糖値160。
 体重測定101.3kg(前日比+0.1kg)。昨日、未運動と未便通のためだろう。ちゃんと出せば、それなりに減るはずだ。100kgを切るくらいまでは。
 7時47分、朝食。インスリン注射。

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◆ごはん195g(半分残す)、味噌汁(白菜)、煮豆、サラダ(アスパラとカリフラワー)、オムレツ(プレーン)、牛乳180ml、ふりかけ。生野菜を追加。5単位400kcal。

 俺のところには牛乳しか来ないが、他の患者のところにはジョワやヤクルトが届く。たまに飲みたいもの。

 9時20分、血圧測定118/69。外出届を要請。
 午前中は昨日の続きの原稿書き。仕事の電話とメールをいくつか。

 12時、血糖値測定。226。高い。要因はなんだろうと考える。食事と血糖値の記録を見ると、牛乳を飲んだ後に血糖値上昇が目立つような気がする。もちろん、断言するほどのデータはそろっていないし、あくまで俺個人の体質における傾向である。「牛乳 血糖値」でネット検索すると、食事と一緒に牛乳を飲むと血糖値が下がる、という話題が出てくるが、エビデンス不明の噂話レベルのようだ。牛乳は子どものころから大好物のひとつで(おかげで背も伸びたし横にも広がった)、これからもほどよく付き合って行きたいとは思っている。ただ、カロリー量を基にした食事制限をすると、牛乳1杯は1.5単位120kcalと多いので、あまり飲めなくはなってしまう。
 とりあえず、隠し在庫の牛乳は家に持ち帰ることにしよう。

 12時27分、昼食配膳。インスリン注射。

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◆ごはん195g(半分残す)、鶏肉と大根の煮物、ブロッコリー。生野菜を追加。

 13時、外出。窓から眺めて吹雪いていたのはわかっていたが、実際に外へ出てみると「ひどい」のひとこと。いつもは「ポケモンGO」をちらちら見ながら家まで歩くのだが、今日はこの雪道と真剣に向き合わなければ命を落としかねない。
 それでも病院前から行啓通りの歩道は、まだ踏み跡もあって問題なく歩くことができた。中央警察署から図書館方向への道(東山墓園線)に入ると、踝(くるぶし)の上まで埋まりながらの歩行になる。中央図書館を過ぎてからは車道を歩いて行く。
 その先で道を誤ってしまった。いつものように亀田川沿いの遊歩道に入っていくと、もうそこは深い新雪が真っ白に広がるのみ。脛(すね)まで埋まり、冬靴ではあるが長靴ではないので、靴の中に雪がどんどん入って来る。自分で雪をかきわけて踏み跡をつくるので余計に脚力をつかう。容赦ない吹雪。かすかに遭難を覚悟しながら、何度か立ち止まって休みながら進む。視界は100メートルほど。
 なんとか家にたどり着いたと思ったら、玄関先が雪で埋もれている。長靴に履き替えて雪かき。すこし重い雪だ。必要最小限の範囲だけを除雪するが、かなり疲れた。腕が上がらない。息を切らして帰宅。ストーブの前にびしょ濡れの手袋や帽子、それに雪が入ってしまった靴を並べる。ピーさんがぎゃあぎゃあ鳴きだしたので、カゴの入口を開けて放鳥した。
 シャワーを浴びて布団に寝ころがる。ピーさんが飛んできて顔の上を歩いている。話しかけると顔を近づけてきて、話すのをやめると唇をかじって「話せ!」と催促してくる。ピーさんを顔に乗せたまま昼寝。眉毛を毛づくろいされた。

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 15時半過ぎ、ちょっと早いが病院へ戻ることに。玄関を出ると、またそれなりに雪が積もっている。二回目の除雪をしてから出発。今度は川沿いを歩かない。医師会病院前からバスに乗った。

 16時20分、病院到着。病室へ戻る前に院内のローソンで、昨日あきらめた海藻入りサラダを購入する。本日の雪中行軍のご褒美だ。
 病室へ戻ると担当の看護師がやって来て、今後はインスリン10単位で固定する、と伝えられる。ただし、1日4回の血糖値測定は続ける。

 17時、血糖値測定。128。もうすこしで一般人並みに(ただしインスリン注射のおかげ)。この夕食前の測定が1日でもっとも血糖値が下がる傾向にある。やはり運動による好影響もあるのだろう。
 17時50分、夕食配膳。説明がよくわからなかったが、インスリン(ヒューマログ)をこれまでより多めに注射するという。低血糖に関する諸注意。この数値なのに大丈夫かしら。この治療の意図については、明日の主治医回診で確認しよう。

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◆ごはん195g、味噌汁、焼き魚、大根おろし、なす田楽。海藻サラダを追加。

 低血糖症状を恐れて(空腹でもあったが)、ごはんを完食してしまった。インスリンを打つと太るという言説があるが、こういう心理も影響しているのかもしれない。

 食後は原稿書きの続き。とくに低血糖症状はなし。ただ、気にはなるので、すこしの変化に敏感にはなっている。
 21時、血糖値測定。160。インスリン(トレシーバ)を12単位+10単位。やっぱりけっこうな量だ。すこし不安を覚えつつも両腕を差し出すしかなし。
 外は雪が降り続いている。

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プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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