冬の事故と函館の雪

いったん寒さがゆるんだようだが、
1月に入ってから、函館でも「きちんとした寒さ」が続いていた。
地元民の肌感覚としては、
函館でも久しぶりに「冬らしい」季節を迎えた、という感じ。

「連続真冬日」という新聞見出しや、
テレビに「凍結に注意」というテロップを見ると、
やっぱりそうだよな、と。
道新さんの記事(函館地方版)にも、
函館の今年の寒さを検証する記事が載っていた。
良い記事だったが、
地元民が感じている「肌感覚」が足りなかったかな。

街の雪も多い。
ここ数年(正確には過去5回の降雪期)、
自宅(集合住宅)前の雪かきをしていなかった。
今年はさすがに雪用スコップを購入しなくてはと思った。
が、まだ購入していない。

そんなおり、こんな事故に出会った。

080113-jiko01.JPG
◆いつも半径3km以内の話題で申し訳ない。
 事故現場は自宅近くの大野新道・亀田港町交差点。


080113-jiko02.JPG
◆よく見ると、信号機の位置がおかしい。

函館を離れて十年ほどたった友人が、
冬の函館に帰ってきて、
「道路の除雪がヘタになったね」と言っていた。
たしかに、最近は除雪車の出動する機会は減っていたし。

函館人は除雪も冬道の運転もヘタになっている。
そんなことを考えた今年の冬であります。

080113-jiko03.JPG
◆翌日。こんな感じで応急処置されていた。
 どうやら自動車が滑って突っ込み、電柱が骨折したらしい。


前段で触れた「肌感覚」という言葉の補足説明。

同世代(30歳代)の函館育ち人と
「雪」の思い出話をすると、異口同音に
「子どものころと比べると、あきらかに雪が少なくなった」
という結論になる。

その論の共通の証拠として、
かならず次のエピソードが語られる。

「小学校の2学期の終業式は12月23日で、
 冬休みの初日はクリスマスイヴ。
 24日の朝、枕元のプレゼントが気になって早起きすると、
 かならず外は雪で真っ白。
 この日から、函館の根が始まるんだよね。」

小学生(1980年代前半)のころは、
函館の雪と積雪には、ぜったいそういう「法則」があった、はずだ。
あるとき、その法則が乱れて、
いつのまにか乱れた状態が「ふつう」になって、
気が付けば「正月なのに雪がないね。歩きやすくていいわ」って感じ。

観測データとか、並年値とか、そういうものではなくて。
あのころと違う。当たり前だったことが、
いつのまにか失われたり、変化していることに気が付く。
それが肌感覚。

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プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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