小樽の夜はふけて。

カミさんの小樽暮らしも3年目に入った。
彼女はすっかり小樽人だ。もう、僕は泣かない。
なんて言っていたら、いつの間にか函館でお世話になっていた人たちが、
転勤で小樽に集まっていたりして。
そんなわけで、今回は小樽勤務Kさんの案内で飲酒をしてきたレポートを。

まずは午後7時に「おでん 焼鳥 らく天」で待ち合わせ。
妻の部屋からタクシーで出かけたのだが、
運転手さんに「らく天までお願いします」といったら、
「デイゲームじゃないかなぁ。どっち勝ったのかね」って言われたりして。
ということで到着。

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◆アワビと大根の煮物。繊細なダシが生きた上品な味。

小路を入って戸をくぐると、いかにもKさんが好きそうな店。
カウンターの奥に鎮座した姿を見つけてニヤリとする。

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◆ご店主の工藤さん。笑顔なので、たぶん騒いで迷惑はかけていないはず。

カミさんも連れて行ったのだが、
彼女は3度目の来店だと言っていた。油断できない。宴会で利用したそうだ。
おでんもうまい、焼き鳥もうまい、
ズッキーニの天ぷら(湯葉ばさみ)もうまかった。

で、いいだけ食べて呑んでおきながら、
Kさんの先導でラーメン「自来軒」へ。
函館人としては、どこへ行っても注文は「塩ラーメン。」である。

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◆澄んだスープ。いわゆる清湯というやつ。
 これは豚骨や鶏ガラや野菜を、沸騰させずにじっくり煮るので手間がかかる。
 (お店には確かめていないので、たぶんそうだろう、と。)

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◆お品書きに「ラーメン」とだけ書いてある場合、
 函館ルールでは「塩ラーメン」を意味する。こちらでも、そのルールが通用した。

やさしい味で、酔客のお腹にしみわたる感じ。
うまかった。当然、スープは飲み干した。

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◆店構え。合格。あら、Kさんが写ってた。まぁ、いいか。

この自来軒のある小路は前々から目をつけていた。
道のどんづまりに鳥居と神社があるのだ。
無類の鳥居好きである僕には、たまらない風景である。
少し脱線して、昨年秋に撮影した写真を紹介する。

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◆夕暮れどきの小路。奥に朱塗りの鳥居が見える。
 形状はふつうの稲荷鳥居にも見えるが、笠木と島木が反っていず、
 また笠木を黒く塗っていないので、春日鳥居と考えられる。

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◆この小路の裏手に回ると、旧手宮線の線路が残っていたりして。たまりません。

閑話休題。

お次は、たしかカミさんと『たるぽん』(小樽のフリーペーパー)で見つけて、
気になっていた店「しゅあ」へ。
Kさんにはバスでの帰宅を諦めていただいて、お店まで道案内してもらった。

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◆梅酒バー「しゅあ」にて。えーと、500種いや1000種、5000種だったかな。
 酔っぱらって忘れてしまったが、とにかく北海道から沖縄までの梅酒がそろっている。
 きっと、あの夜この店で出会った人が補足のコメントをしてくれるはず。

たいへん気持ちよく酔っぱらったので、
酔いをさましつつタクシーを探しつつ歩いていたら、
見覚えのある店の前に。「たかやま パープルレイン」。

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◆これも昨年秋に散歩したときに撮影。それにしても看板が多すぎじゃないだろうか。

同姓の店名なので印象に残っていたのだ。
いつか行ってみようと妻と話しながら通りすぎようとしたら、
たまたまお店からママさんらしき人が出てきた。

「あの、たかやまさんですか?」
「はい、そうですよ。」
「おお。僕も高山なんですよ。こんど寄りますので、同姓のよしみで安くしてください。」
「あはは、よろこんで。」

ということで、小樽の夜はふけました。
どっとはらい。

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プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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