糖尿病と暮らす日々:2月17日(退院。腎生検からの生還。)

昨夜、就寝前に看護師を呼び、車イスに乗せられてトイレへ。
あんまり出ない。頻繁に呼ぶのも迷惑だろうと我慢してたら便秘になった。
消灯前の20時半には目を閉じる。
ヘッドホンで音楽を聴きながら、うつらうつら。
手術箇所よりも、神経から来る脚の痺れや痛みが辛い。
ひとつの姿勢では限界がきたので、
針を刺した左側を下にして寝ころんだら、
強盗に襲われて左腹を殴られる夢を見た。
「おまえ卑怯だぞ!」と叫んだところで目が覚めた。
なんじゃそれ。

7時半、朝食。

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◆ご飯(180g) 焼き魚 ごぼうきんぴら パイナップルシロップ漬け ヤクルト 粉飴ムース(150kcal)
◆676kcal タンパク質12.8g 脂質18.0g 塩分1.4g

ヤクルトだとは言え、カロリーのある甘い飲料を飲んだのは半年ぶり。
今朝はじめて朝食を食べたわけだが、
どうやらやっぱり23単位1840kcalではないみたい。
おそらく25単位2000kcalのようだ。
ちょうど、ご飯30g(48kcal)とデザート(150kcal)が多い計算。
食事制限は伝えたはずなのになぁ。なぜだろうと思っていたら、
今朝のデザートにヒントが書いてあった。以下、憶測。

粉餅デザート(米粉でも使ってるかと思ったら原料表示はナシ)の包装に、
「無たんぱく質高カロリー食品(厚生労働省許可特別用途食品)」と記載あり。
説明書きを要約すると、
  無たんぱく質高カロリーの食事が必要な腎臓疾患の方に適した食品。
  医師・管理栄養士の指示のもと、食事療法のひとつとして使用すること。
と書いてあった。なるほど。そういうことか。
他の食品でカロリーを補おうとすると、タンパク質の摂取につながるから、
特殊なデザートを付けているのだ。
冷蔵庫にしまっておいた昨日・一昨日のデザートを確認すると、
たしかにタンパク質は0gの表示だった。

ご飯の多さに関して、田んぼ記者でもある僕なりの解釈。
いわゆる良食味米(地元で言えば「函館育ち ふっくりんこ」や「ゆめぴりか」、著名なのは「こしひかり」(ただし魚沼産)がある)というものは、
米にふくまれるタンパク質とアミロースを基準(目安か)にしている。
タンパク質の低い米がうまいとされているのだ。
良食味米に限らず、現代のお米は昔に比べて低タンパクとなっている。
(タンパクが高いと、ぼそぼそとした食感になる。)
つまり、米食は腎臓に良い。そういうことかも。
あくまで、田んぼ記者的な憶測ですが。

ただ、僕の場合は一方で糖尿病を抱えているから、
低カロリーじゃなくちゃいけない。
ここで食事内容が反発しちゃうんだよね。
まったく、めんどくせー病気を抱えこんじまったもんだ。

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◆五稜郭病院の食事には、このような紙片が添付されてくる。
 これは良い。食事の意味や大切さを学べる。


8時すぎ、昨日の手術担当医が来て傷口を確認。
押されると痛いけど、大丈夫ですとのこと。
普通にしてて良いですよ、と許可がおりる。やった。
さっそくトイレに行く。出た。出た。よしよし。
あとは腎臓内科の医師に許可をもらえれば退院じゃ。

9時55分、本日の担当看護師が顔を出す。
「高山さんって、もしかしてNCVで酔っぱらってる人ですよね?」
体感的には道新に載るよりも影響力あるな。
月に100回リピートしてるってのも要因だけど。
「あんまりお酒を飲まないようにしてくださいね」と笑われる。
めげずに、そのうちどこかの居酒屋で会えたら呑みましょうと、言い返す。

10時13分、事務の人が来て請求書を置いていく。
二泊三日(腎生検)で、56960円(国保三割負担)なり。
お金がないのでカードで支払う。今回は生命保険はおりないし。

10時30分、腎臓内科の医師が回診。おっ、外来の先生だ。
「あれ、頭を丸めました?」 第一声がそこかよ。
「いや、これがデフォルトですけど。」
「痛みますか?」
「いえ、おっつけなきゃ大丈夫です。」
「じゃあ、検査結果は3週間くらいかかるから。次の外来で。」
「ありがとうございます。」

入院終了。

というわけで、昼飯前に退院しました。
これからタクシーで帰ります。
どうか、部屋の水道が凍ってませんように。

んじゃ、次回の入院の日まで。うそ。もういや。


蛇足。
「じんせいけん(腎生検)」と打ち込むと、
初期設定では「人生券」に変換された。
願わくば、窓側のゆったりした席を希望するけど。
それが叶わないなら、どこでもいつでも乗り降りできる「券」が良いな。
みんな、勇気を持って病院へ行こう。検査を受けよう。診断をもらおう。
病気も検査も、先延ばしをするほど痛くなるよ。
大丈夫。ヒマだったり不安だったりするなら、
俺がお見舞いに行って、笑わせてあげるから。

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プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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