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7月12日(日)

そして、糖尿病入院七日目。函館中央病院にて。

思わず4時半に起床。
便秘。どうにか出す物を出してから体重測定をしたい。
5時半、向かい合わせの病棟の後ろから朝日が昇ってくる。
ここちよい。今日は13時から外出予定。晴れてると良いな。

6時10分、血圧測定。「あら、今朝は良いですね。」
154の93。ほんとだ。すげー。日曜日だから高血圧も休みか。
体重測定のリミットまで45分、便意なし。どうする。

で、出せないまま体重測定。102.6kg。くそっ。体重減少も日曜日か。
ぜったいに大腸付近に400gくらい入っているはずだ。

昨日いただいた花籠に水をやりながら、
俺はこんなもので終わる人間じゃない、と決意を新たにする。
10年ほど前、やはり100kg近くあった体重を、半年で25kgほど減らしたことがある。
医者に言われた訳ではなく、当時、気になっていた女性に交際を申し込んだら、
かるく鼻で笑われつつ「痩せたらね」と言われたからだ。
あたしゃ発憤(あれ、発奮か。辞書を見たら同じだった。)しましたね。
というわけで痩せました。
どんどんお洋服の値段が安くなって嬉しかったね。
彼女のためにおしゃれもしたかったし。
ただし、その減量方法は「若さ」と「時間」のおかげで実行できたもの。
とにかくメシは減らした。お米は茶碗の底にほんのり軽く。
お昼はカロリーメイト。あれは1本200kcalだから計算しやすい。
で、歩きました。3時間も4時間も。
当時、無職でしたから。いや、夢に向かって挑戦中だったから。
よーするにヒマだったので。コンビニバイトとたまに来る撮影の仕事だけ。
歩きすぎて、いま思えばハンガーノック(低血糖症)で動けなくなるときもあった。
そんな無茶な努力のおかげで、誰もが心配するほど痩せていった。
無事に意中の女性とも交際ができ、愛の強さを示したわけである。
まっ、その方と結婚したわけですが、けっきょく体重はリバウンドしてるけど。
あー。愛が薄まったわけではないぞー。いや、ほんとに。ほんとほんと。
ただ、最近、健康に対して自暴自棄ではあったな。いろいろあって。

ん、こんな話を書くつもりじゃなかったのに。ま、いっか。

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◆朝食。牛乳がないじゃないか!

9時5分。血圧測定、129の85。いいねー。薬物万歳。
向かいの爺さんが看護師さんに年齢を聞かれて、
「わがんねんだ。九十なんぼだ。」と答えていた。
違うでしょ、と言われて「大正2年だもの」と。
大正2年だと、1913年生まれで96歳か。ふむ。見た目はそんな感じだが。
実際は80代後半とのこと。後期高齢者であることに変わりなし。
それにしても、後期高齢者ってすげーネーミングだな。

ちょっとして、また年齢を聞かれたら「大正12年だ」と言っていた。
なんだよ。思わず声を出して笑っちまったよ。

9時半、締め切りが迫ってきたので仕方なく原稿書き。
今月末に発行する道新「函館港まつり」特集の記事。
なんだかんだと、もう8年くらい書かせてもらっている。
お祭は参加してなんぼである。開港記念イベントとあわせて盛り上がってほしいと願う。

10時35分、担当の看護師Sさんが来て、薬(アマリール)を回収していく。
10時40分、Ws先生の回診。日曜日も働いてるんだな。自営業と変わらんね。
昨日の検査(食後のターゲス)の結果、昼食後の血糖値が下がりすぎだという。
そのわりに朝食後の下がり方がいまいちだとも。
おそらく、インスリンが遅れて働き出すのだろう、と。
インスリンは飼い主に似る。ってやつだ。のんきな膵臓である。

  そう言えば、先日、実家に寄ったとき、本棚の奥で成績表(通知簿)を見つけた。
  親が保存しておいたものだろう。そういうもんなんだな。
  で、成績はずっと下の中なので、見てもつまらないのだけど、
  後ろにある先生の通信欄を読んだら面白かった。
  とにかく、小学校・中学校・高校と、すべての先生に
  「とくに問題行動はないが、計画性を身につけていきましょう。」
  と書かれていた。先生方、ごめんなさい。そのまま大人になりました。

閑話休題。
で、アマリールという「膵臓にムチ打つ薬」(主治医の表現)を減らすことに。
むふふふふ。どうよ、この快復力。若いってことか。ことか?
5mmくらいの錠剤を半分に割るんだって。職人技だな。
こちらから腎臓の検査の話をふる。
「腎臓の生検をやってもらおうかと思います。」「覚悟できましたか。」
いや、覚悟はできていない。できていないけど、治療への克己心が最大値だから。
このタイミングを逃すと、きっと、次は、ない。

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◆そんなわけで、これが入院中の最大投薬量ということになる。
◆勝手に手相占いをしないように願います。

11時、妻から電話。今日はPTAの資源回収のお手伝いだったそうで。
このブログを読んで、長くて読むの疲れると言われた。
このやろう。おまえそれでも文筆家のつれあいか。
長いのは、まずは自分のための記録だからなんだよ。
病気のことだけ書いても気晴らしにならんし。数字だけ並べてもつまんないし。
ひまを見つけてぼちぼち読んでくれ。

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◆はじめてパンが出た。

11時半、昼食。パンはちょっと胃にもたれるんだよな。
あーーーー、神戸こむぎ館のパンを食べたいなー。退院したら絶対食べよ。
ジャム(砂糖不使用)はこれぽっちで20kcalと書いてあったので、
くやしいので85%くらい残してやった。

13時10分、お出かけ。まずは、松風町の丸山靴店へ。
空に雲はありながらも晴れて気持ちよい。風もここちよい。

人力のスピードは適度な視覚情報を処理しながら思考にふけるのにちょうど良い。
そう言えば、どんな仕事でも楽しんでいたころ、原稿書きに行き詰まると
よく散歩をしていたなぁ。歩いているうちに、どんどん書きたいことがあふれてきて、
机の前に戻ると気持ちよく筆が進んだ。最近、忘れてたな。

青年センターの前まで歩いて、事務所のカギを忘れたことに気が付く。
いったん病室に戻り再出発。ちょっと時間をロスしてしまったので電車に乗る。
ていうか、市電は便利だよな。遅れないし。次は沿線に引っ越そうと思う。
松風町電停で下車。白衣の若者が、大門のアーケード歩道を清掃してた。
なんの団体なんだろう。学生っぽかったが。
大門広小路(グリーンプラザ)では、オープンカフェの「実証実験」。
どこのヒモ付きなんだ。なにを実験してるんだろ。

さて、丸山靴店。3、4年ぶりにシューフィッターの丸山さんに会う。
愛用の靴、ワールドマーチ(WM502 PRIDE)。もう8年もはき続けている。
本当はソールを交換できるのだが、皮の手入れもせずに履きつぶしてる。
1度買い換えたので、いまのは二足目である。
事前にネットで調べると、ちゃんと今も、まったく同じものが製造販売されている。
それほどしっかりと設計された靴ということ。もちろん人気も評価も高い。
8年前、靴の記事を書くために、丸山靴店を訪れたときに出会った。
当時、よれよれのブーツをはいていたのだが、
ほんとうに少し歩くだけで足の裏が痛くて、水ぶくれができるくらいだった。
取材のついでだったので丸山さんに相談すると、
靴が悪すぎると言われた。足を測定・診断してもらい、
歩きの実情を聞いてもらった上ですすめられたのがこの靴である。
はき替えたとたんに、足の痛みはすっかり消えた。
大げさでなく、いくら歩いても足は痛くならないのだ。まるで魔法のように。
改めてメーカーのサイトを確認すると、
「1日40km以上歩くウォーカーのための究極の1足。」とあった。
函館から木古内である。函館から森町である。そんなに歩けないし歩かない。
でも、全力で僕の足をサポートしてくれる靴だ。マジでおすすめ。

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◆これ。いっさい手入れをしていないので見る影もないが、ほんとに良い靴です。

今回も同じ靴を買おうと思っていたのだが、専門家の意見も聴いてみたいところ。
「人気があるのはヨネックスですね。クッション性能が高い靴底で、
 踏み出しが軽く、気持ちよく歩けますから。」
体が重いと膝にくるしなぁ。
「僕がいま愛用している靴と性能的な違いは有るのでしょうか?」
「快適に歩くという点では同じだと思います。ヨネックスの方は、
 歩きごごちが軽いと感じると思いますよ。耐久性も同程度です。
 高山さんはあんまりお手入れをされる方ではないので、
 こちらの靴のほうが良いかも知れませんね。」
かるく逡巡した上で、足下をモデルチェンジすることにした。
購入したのは「YONEX 旅ウォーク MT-03」。
6mの高さから卵を落としても割れないパワークッション採用。
道具にこだわるのは好きだ。そして、プロを相手に買い物をするのも好きだ。
こちらの要望や質問にぱきぱきと応えていく接客。これでしょう。

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◆若松町の長屋建築。軒のよれ具合がよろしい。

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◆雑草が演出する小路の踏み跡。積み重なった時間が見える。

14時半、海岸町の事務所まで写真を撮りながら歩く。
駅前からゆっくり歩いて約20分だった。
事務所で「海藻おしば」作品のラミネート加工。
途中、仙石くんとなおちゃんが顔を出す。
「あれ、また、いる。」「あれ、見つかっちゃった。」
約束の17時までに作業が終わりそうもないので病棟へ電話。
17時半にまけてもらう。日ごろのおこないが良いのであっさり許可。
17時10分、ようやく作業終了。あとは病室に持ち帰って最後の工程をおこなおう。
オーシャンタクシーに電話。「あっ、お向かいの高山さんですね。」
運転手さんとの会話が大好きだ。
「モーモータクシーに対抗して、イカタクシーとかどうすかね?」
あんまり唐突すぎて、運転手さんが反応しにくそうだった。中央病院まで930円。
17時25分、病棟に帰還。ぎりぎりだった。

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◆谷地頭町「酒保 小西酒店」 純粋もっきり屋さんです。厳密に言えば、立ち飲み屋とは違う。
◆あくまで酒屋さん。火を使った調理はできない。お燗もダメ(レンジでチンはオッケー)。
◆いわゆる立ち飲み屋とは、客席における飲酒時姿勢が「立っている」ということ。

17時半、テーブルの上の●ー●●●コ●をベッドの上に移動し、
配膳された夕食のトレーを乗せたとき、背後から声が。
振り返ると、「函館酒場寄港」の収録でお知り合いになった高橋さんだ。
びっくり。ブログを読んで、とのこと。すいません。催促したみたいで。
谷地頭町の小西酒店で赤玉スイートワインをご馳走になった。
なぜか、次の収録先(丸善瀧澤酒店)でもご一緒になって、
収録後、大門広小路沿いの「フェルマータ」でもう一杯。
「収録の時はすでに不調だったんですね。飲ませてしまって申し訳ない。」
とんでもない。好き好んで飲んだくれていただけで。うまい酒でした。
高橋さんの名刺には「好きです 酒と音楽と落語」とある。
思い切り趣味嗜好が重なってるんですが。ちなみに、僕の贔屓は志ん生ですな。
しかも、ツールを観戦しているそうだ。くそ。くそ。俺も俺も。
夏には江差までのサイクリングに誘われる。ママチャリで。
退院したら新しい自転車(クロスバイク)を購入しようと思っていたので
ちょうど良いかも知れない。距離にして約80kmだって。
一献の縁でわざわざお越しいただいて恐縮です。そして感激です。

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◆大相撲を聴きながら夕食。

ご飯、サバ塩焼き、もやし、フキ炒め、味噌汁(白菜)、減塩醤油、大根おろし。
そして肉じゃが。今夜のは肉が入っている。俺は幸せ者だ。
これでビールが飲めたら、もっと幸せだろう。月2回、月2回、月2回...。

採尿用の紙コップを渡される。明日、腎臓の件で泌尿器科で診察。
入院中に検査はできないか確認したら、別の病気なので一連の治療にはならないそうだ。
たぶん、医療制度上のことなんだろうけど、いびつな感じがするね。
それにしても、痛い検査はイヤだな。これ以上、病気を抱えるのも凹むわ。
仕方ないけど。

嗚呼、もう消灯の時間は過ぎている。
忙しくて原稿を書くヒマがなかった。明日、起きてからだな。
書きそびれていたターゲス(Tagesprofile)の結果を記録しておく。
これは1日の血糖値の推移を確認する検査。
ターゲスなどとドイツ語で専門用語丸出しだが、1日の記録くらいな意味らしい。
(ドイツ語の講義は初回だけ出席して逃げたので知らん。)
入院の2日目におこなった。次は10日目にある。
6日目には食後だけの採血があった。

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2009年7月8日
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函館中央病院
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【血糖値】  ※正常値 空腹時:〜110
            食 後:〜140

  参考 6月15日(空腹)  351
     6月22日(空腹)  229

朝食前(7時)   146
朝食後(9時半)  230 食前後に投薬
昼食前(11時)  189
昼食後(13時半) 184 食前に投薬
夕食前(17時)  141
夕食後(19時半) 196 食前後に投薬
就寝前(21時)  202


ご立派な糖尿病である。それにしても、初診(6月15日)の数値は見事。
そして、その1週間後の数値も、高くはあるが努力の成果が見えるじゃないか。
その時点では、糖尿病の薬は飲んでないからね。
とは言え、投薬の効果もすごい。医学は科学(化学?)だ。
それでも、異常値を示してはいる。最初のターゲス後、薬が増えた。

血糖値が下がったことで、
あきらかに口乾(ノドが乾く)・多飲(水がぶ飲み)・頻尿(1日10回以上)の症状はなくなった。
わずらわしくなくて良い。でも、自覚できる症状としては、それだけだ。
糖尿病は「勘」や「感覚」では判断できない。かきっと数値を見つめていくしかないのだ。
7月11日(土)

さらなる上は、糖尿病の治療入院六日目である。ここは函館中央病院。

6時起床。だんだん遅くなってきた。
今日も朝は雨。体重測定102.4kg。ちょっと便秘。
昨夜は月がまぶしかった。

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◆10日、21時の月。立待月。
◆月が赤く見えるのは地球の大気のチリなどが影響している。らしい。
◆1/60 F6.3 ISO3200 270mm AUTO 手持ち撮影

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◆11日、午前1時の月。居待月。カーテン全開の窓から、こうこうと月明かりが見えた。
◆1/4000 F6.3 ISO3200 270mm AUTO 手持ち撮影
◆いまさらながらデジカメはすげーな。これくらいはお任せであっさり撮影できる。


7時、洗顔。やはり頭まで洗う。頭髪1.2cm。伸びてきたな。
ひげともみあげをトリミング。
向かいの爺さんは、挨拶をするたびに困惑した表情になる。
耳が遠くて聞こえていないのかも知れないな。

血圧測定。173の110。

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◆今日も無事に朝食にありつけました。

7時35分、朝食。
ご飯、味噌汁、梅びしお、大根そぼろ煮、白菜甘酢和え、牛乳(180ml)。
牛乳は冷蔵庫に隠しておく。夜に飲もう。
そぼろ煮がほのかに暖かくて嬉しい。小さな喜び見つけ上手になっていく。
食事中に2枚目のテレビカードがなくなる。
そう言えば、携帯電話はワンセグを受信できるんだよな。
病院の売り上げに貢献できないのは申し訳ないけど、そっちで見よう。
どうせ、食事のときにニュースを見るというか聞くだけだし。

8時、歯磨き。いちど電動歯ブラシを使うと手放せなくなる。
そういや、昨日の夜、爪楊枝を使っていたら、奥歯が欠けた。
小学生のころ詰め物をして、一昨年、そいつが取れた。
それから、ゆっくりと奥歯は崩壊している。
ちなみに、糖尿病では歯の治療もままならない。

今日は土曜日なので、ちょっとゆっくりカミさんに電話をする。
職員室でブログを見たとのこと。外野(他の教職員)がうるさかったらしい。
パンツの一件は、だいぶ笑われた。そんなもの見慣れてるでしょ、と結論。

8時50分、雨が上がり雲が晴れ、土曜日の楽しげな日ざしがあらわれる。
病院にいるのに、なんて快適。窓からは、少し湿った涼しい風。
今日は食事後の採血がある。

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◆注射への恐怖から、絞りもシャッタースピードもスピードライトも忘れて撮影。

9時半、血圧測定。169の112。薬服用前とほとんど変化なし。
看護師さんに「立派なもんです」と言われた。高いという意味だよね?
すぐに看護師詰め所に移動して採血。たぶんトンボ針ってのを使ってた。
以前、通院したとき、僕の細くて弱腰で引きこもり気味で痛がりの血管には、
これが良いでしょうってことで、この針で採血されてた。
細いから時間がかかるんだって。でも、痛くないから、こっちの方が良い。


11時、Ws先生の回診。

  諸注意を受けたので、残念ながら以後は医師名を匿名とします。
   > プライベートな日記ではありますが、
   > 取材して執筆し公に発表することを職業としていますので。
   > 良かれと思ってのことと信じていただきたいですが、
   > 取材者としての思い上がりもありました。
  どうしても、自分が良いと感じたことは、多くの人にも触れて欲しい思うもので、
  なるべく多くの情報を知らせて、その一助にと書いてしまうのですが。
  病院内の常識を逸脱してたようで。反省。
  僕にWs先生が名医かどうかを判断することはできませんが、
  治療に対して親身かつ厳正な先生であると、僕の責任で評価します。
  また、採血について「痛い」「イヤだ」と書いていますが、
  それはけっして文句を言っているのではなく、
  書くことで(痛がることで)気分を紛らわそうとしているだけですので。
  ま、痛いのは痛いわけですが。

ということで、ちょっと意気消沈しながら、今朝の採血データを見せてもらう。

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2009年7月11日
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函館中央病院
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体重 102.4kg

GOT  48
GPT  72
γ-GTP  146
LDH  216

総コレステロール  217
中性脂肪(LDL、悪玉コレステロール)  155

UA(尿酸)  8.7

「コレステロールは、まだ高いながらも下がってきましたが、
 こんどは尿酸値が上がってきました。痛風の症状が出てもおかしくない数値です。」
「なんもしてませんよ。」
「なにかが下がると、どこかが上がる。これはよくあることですから。」
「痛風は痛いって言いますね。痛いの嫌いです。」
「私も痛風の症状まで出ると面倒ですので、今日から薬を追加します。」
「うーす。」

過去の数値はこんなふうに推移している。

2003年12月 UA 7
2005年08月 UA 7.3
2009年06月15日 UA 7.8
2009年06月22日 UA 7.2
2009年07月07日 UA 8.0

順調に上昇。ちなみに正常値の範囲内はUA 7.0以下。

11時半、昼飯。
今朝、採血してくれた看護師さんが配膳してくれた。
「すいません。さきほどは。」
「あんまり病院内のことは、ね。」

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◆お、またキウイ。小学生のころ、本通生協にキウイが入荷したのを見て、
◆すごく食べたかったことを思い出す。1個100円だったな。

ご飯、カレー風味ムニエル、野菜の炒り卵、サラダ、キウイ。
ムニエルといえば、中学校の家庭科で習った料理だ。鮫川先生だったはず。

13時半、採血。あっさり成功。針を抜くとき、ちょっぴり痛かった。
14時、糖尿病教室。やはりビデオには前田吟。
講師の看護師さん(担当のSさん)に質問。
「糖尿病は不治の病と言いますね。空腹時の血糖値が110以上で糖尿病と診断されるわけですが、これはつまり投薬や食事療法なしでは、もう正常値には戻らないということなんでしょうか。仮に、糖尿病の完治するなら、それはどんな状態を言うのでしょうか?」
「患者さんによっては、治療によって薬やインスリンの量が減少することもあります。投薬・注射の必要がなくなる患者さんもいます。でも、食事・運動療法を続ける必要はあります。」
「食事療法ってのは、つまり常識的な食生活をしなさい。運動療法ってのは、それなりに動きなさいってことですよね? つまりは、ふつうに生きてろってことですよね。」
「そうとも言えますね。でも、インスリンをつくる膵臓の機能が弱っているという場合もありますから。」
ビデオはそれなりだったが、質疑応答は有意義だった。

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◆なんとなく撮影。しっかりハシゴ高なので満足。

15時、お出かけ。出かけに雨が降り出す。
病院前のサンクスで折りたたみ傘を購入。980円。
愛用のウォーキングシューズのゴム底がすっかりすり減ってしまったので、
新しく買い直すことにした。函館駅前の丸山靴店まで雨のなか散歩。

途中、昭和橋の手前で、Uターンして近づいてくる白い軽四あり。
なんじゃと思ったら、仙石くんの車だった。なぜか、背後から片原さんが駆け寄ってくる。
「あの、いまお見舞いに行こうとしていたんですが。
 入院してるはずの人が歩いてるのを発見して...。」
あー、悪い悪い。電話して来てよ。
「ちょっと大門まで靴を買ってくるからさ、30分後に電話するわ。ごめんね。」
こんな偶然もあるんだね。
いくら赤いポロシャツ(もちろん3倍早くなる。いや1.3倍か。)を着ていたとは言え、
傘も差していたに、予想だにしていない場所だし、すれ違いざまによく見つけたものだ。
くすくすと笑いつつ散歩を続行。

大門まで40分。意外と近いな。
さて、意気込んで丸山靴店に行ったら、シューフィッターさんはお休みでした。
店員さんは、同じ靴ですし大丈夫ですよ、と言ったが、
まぁ安い買い物でもないので、やっぱりきっちり足の診察を受けてから買うことにする。
名刺を置いて、後日あらためて訪れると伝える。
松風町電停から市電に乗車。整理券を取り忘れる。
中央病院前で下車。200円。
今日の歩数4956歩。往復で1万歩か。1時間半くらいの散歩ということか。

16時、改めてお見舞い。
仕事場お隣さんの仙石くん・片原さん、ペリー紙芝居で同志だったナオちゃん。
病院1階のドトールでお話。ぜんぜん病状の話をしなかったな。
まぁ、見舞い相手がパジャマも着ていないし、街を散歩してるくらいだから、
お見舞いのしがいがないのかもな。ラッシーの話をする。
退院の打ち上げ(?)は、生ビール電車を強く希望していると伝えておいた。

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◆いただいたお花。ありがとう。花をもらったのは22年ぶりだ。

17時10分、三人に見送られて病室へ。
いそいで、土曜の夕方のお約束「アバンティ」を聴く。話題は「1Q84」。
17時半、夕食の配膳。このタイミングで入浴。男性は月・水・土なのだ。

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◆これに秘匿しておいた朝食の牛乳を追加。まるで晩酌のような気がして、大いに満足。

17時50分、ちょっと遅れて夕食。見てよこれ。肉に芋っすよ。
ご飯、味噌汁、すき焼き煮、芋(サツマイモか?)、菜っ葉とキノコ、バナナ。
途中で、ちょっと残そうかと思ったほど。
まじで満腹。腹がふくれた。胃もたれ。なんて幸せ!
退院したらエンゲル係数は下がりまくりだな。
糖尿病の治療は生活水準をあげるということか。余裕のある生活をせよ、っつーことだ。

つーことで、今日もなんとか制限時間までに書き終わった。
仕事のときと同じ胃の痛みを感じるのは、なぜ?
7月10日(金)

とは言うものの、糖尿病での入院五日目。函館中央病院にて。

5時50分起床。昨夜は窓を閉めて寝た。明け方から強い雨と風。
気温16〜18度くらいがいちばん過ごしやすい。
朝、トイレに行くと俺の蓄尿セットがなくなっていた。
尿意を我慢しながら看護師さんに聞くと、昨夜で終了とのこと。
いちいちビーカーに入れるのが面倒で、小さな尿意は我慢していたのだが、
これからは思う存分に放尿できる。重畳なり。
尿は目盛りの付いた透明のビニール袋に溜めていく。たぶん満杯で2Lくらい。
幾人かの患者さんの尿備蓄パックが並んでいる。
どうしても、尿を袋に注ぎ込みながら、隣人尿と見くらべてしまう。
色が濃いと、ちょっと恥ずかしかったりして。

すっきりと放尿・快便の後に体重測定。102.8kg。それなりに減っているなぁ。
でも、腹も胸も二重あごも、とくに痩せた気がしない。
0.1トンを越えるクラスでは、10%くらい減量しないと見た目の変化はないようだ。

6時半、メールチェック。
NPO法人なちゅらす代表の赤石くんからメール。
 > お見舞いは
 > Hな本にしますね。
 > 食べものの制約が、ありそうなので・・・
 > しばらく
 > 白衣の天使と
 > たわむれて
 > ゆっくりしてくださいね。
お見舞いにエロ本ってのはデフォルトなんだろうか。
それとも、俺がエロと同類項なのか。もう4人に言われた。なんなんだ。早く持ってこい。
ありがとう。

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◆毎朝のお薬。これで朝だけだぜ。お腹一杯になりそうだ。
◆血糖と高血圧の薬。めまい(耳鼻科)の薬。

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◆充実の朝食タイム。味海苔かと思ったら焼き海苔だった。

7時45分、朝食。負け惜しみでなく、量には慣れた。
ご飯、白菜の味噌汁、さつま揚げともやしの醤油炒め、からし菜和え、焼きのり。

過食をふせぐコツとして、よく言われていることだが、なるほど見た目は大切である。
どんなに腹七分に慣れても、やはり量は少ないと思うし、
たとえどんなにご立派な料理でも、見ただけでは満腹にはならない。
しかし、これしかない、と非常な現実を視認すると、
これだけでなんとかやりくりせねばなるなまい、と思うものだ。
必然、食べるスピードは減速する。貪欲によく噛んで少しでも食べた気になろうとする。
5分で食べ終わるのは悔しいので、ちょっとインターバルを置いてみたりする。
お茶を飲んで、胃の中でメシがふくらまないかとたくらんでみる。
そうやって食べていると、
まぁ、これくらいなもんだろうと、心理的・胃の腑的にも納得できるのだ。

8時50分、昨日の午後から着手していた原稿を書き上げる。
デザイナーの和也さんにメール送信。
来週17日、道新(函館・道南版)に掲載される広告特集の読みもの。
海藻おしば」の紹介と函館開港150周年ネタ。
ペリー艦隊は箱館で海藻を採集し、標本=おしばをつくっている。
その標本はいまもハーバード大学に収蔵されているというお話。
川嶋昭二先生からお借りした書籍が役立った。

9時、病室に副院長が訪れる。体調はすこぶる良好とお伝えする。
入院生活も快適。退院後もメシを食べに通いたいくらいだ。
「ちょっと、ブログ・・・」...おっ、校閲が入るのか?
「書きすぎ。良く書きすぎだよ」。そっちか。でも正直に書いてるんだし。
健康食品の利用者コメントなんかとは違って、
(ほぼ)正真正銘、虚飾なしのユーザーコメントですから。
でも、本来は糖尿病の治療・訓練くらいで、入院なんかしてはいけないのかも。
要するに、あなたは自己管理なんてできないだろうから、強制入院しなさい。
そういうことなのである。
だからこそ、僕はこの2週間(予定では。)の体験を、
しっかり貪欲に吸収(知識と体験のカロリー制限はない)しなくちゃいけない。

9時半、皮膚科で足をチェック。15秒で水虫と診断。
「19歳の4月から水虫なんです」というセリフを用意していたが、言うヒマがなかった。
軟膏を処方していただく。痒くないけど、皮膚が剥がれてくるんだよね。
ちなみに、僕に水虫を授けてくれたのは、大学の寮の先輩でした。飯芽さん元気かな。

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◆空きベッド。

斜め向かいのおじさんが退院。昨日の退院した人もそうだったが、
病気を治して病院をあとにする人は、みな良い笑顔をする。
向かいのお爺さんもいつのまにか退院していた。
あっという間に、病室の先輩が3人ともいなくなった。
ということで、暫定ひとり部屋。差額ベッド料はナシ。

今週はふだんより仕事をしているので肩がこった。
俺しかいない病室でストレッチ。などをしているうちに昼飯、11時40分。

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◆明日の予定。15日には、もういちど7回採血が待ち受けている。

今日も食べようとしたWs先生の回診。
軽い運動の許可をもらう。できるだけ毎日、お散歩しようと思う。
検査データをもらう。明日、こんどは食後3回の採血だ。
痛いのは耐えるしかない。数値の変化が楽しみだ。

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◆ご飯、サラダ、鶏肉、ビーフン中華炒め。

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◆鶏肉。照り焼き。あぁ、鶏皮の脂身。ここでキミに会えるとは。
◆食事制限・食事療法の病人が、こんなに甘やかされて良いのだろうか。

Hakodadiさんのブログで、この入院日記を紹介してくれたようで。
  → HAKODADI Vol.2(IZA版)「糖尿病患者の貴重な入院記録
 > 今日で入院4日目。まだ10日間は楽しめそうだ。
 > (本人が途中で絶望のあまり無謀な脱走を図らなければだが)
くそ。余計な世話じゃ。ありがとうございます。

以前から思っていたんだけど、「糖尿病」という病名はひどい。
外国語の直訳なのかも知れないけれど、あまりに残酷な写実である。
糖尿病の合併症は血管に関するものが多いので、
血の病気の線で新たなネーミングを考えてほしいところだ。
以前、年上のフリーライター(いまは廃業)が、
「糖尿病はイヤだね。立ち小便したら、たちどころにアリが集まってくるんだぜ。」
と笑っていた。笑われるような病気になってしまいました。

ちなみに、人類が糖尿病を患ってきた最古の記録は、紀元前16世紀(3500年前)のエジプト古文書(パピルス)に書かれており、「体から生気が流れ出す病気」と説明されている。もっとも歴史のある病気のひとつだそうだ。しかし、糖尿病の原因(インスリンの不全)や治療法が発見されたのは19世紀後半から20世紀初頭にかけてである。
【参考文献:日本糖尿病学会編『糖尿病 治療の手引き』改訂第54班】

14時、糖尿病教室。ビデオに前田吟が出演してた。

15時、外出許可をもらってお散歩に。
一歩踏み出したとたん雨が降り出したので、
いったん病室に戻ってカメラを置いて再スタートする。
本町、杉並町、駒場通をまたぎ、白楊通を南下、時任町、人見通に入り、鈴かけ通を南下、的場町、日乃出町、高盛町、千歳橋で亀田川を渡り、千歳町、電車通りを北上し、堀川町、千代台町、本町。1時間ほど。
風が強く雨が降ったりやんだり。
千歳町「まる吉」の前で、天ぷらの香りにくじけそうになる。
電車通り沿いにある古美術・篆刻の店も気になる。
立派なもみあげをした店主が、店の前にイスを出して、
なにやらいわくありげな器でちびちびと茶を飲んでいた。
退院までには声をかけてみたい。

病室に戻ると新たな患者さんが入院していた。爺さんだ。よくしゃべる。
ひとり部屋は半日で終了。
夕方、一昨日から書いていた入院までの記録をブログにアップ。
今日はちょっと早めにブログ記事の整理を始める。

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◆キウイが続くなぁ。果物は瓜系とリンゴはダメを出してるからね。

17時35分、晩飯。早いのにも慣れた。コップに氷をもらいに行く。夕日がまぶしい。
ご飯(やわらかめ)、お麩の味噌汁、オクラの酢の物、平べったい焼き魚、海藻サラダ。
海藻はワカメとトサカノリか。うまいうまい。

アマゾンから本が届く。送付先を病院宛にしても、しっかり届く。
週刊文春で紹介されていた衿沢世衣子『シンプル ノット ローファー』。
とりあえずぱらぱらと読む。好感の持てる絵柄。
毎年のお仕事で、女子高校生のインタビューをしているのだが、
彼女たちの心理や興味や考え方に感心させられることがある。
だから、女子高生の日常を描くような作品は気になるのだ。

看護師さんから外出届を2通もらう。
明日の土曜日は15時から17時まで、
日曜日は糖尿病教室がないので昼食後から出かけるつもり。
事務所に行って、市立はこだて幼稚園の「海藻おしば」作品を完成させなくちゃ。

今日はここまで。
たまにはラジオを聞きながら、ベッドに寝ころんで本を読むことにする。
消灯という締め切りに追われる日々はストレスにならないのだろうか。
糖尿病の原因のひとつはストレスだという。明日、主治医に聞いてみようか。

【7月11日、一部改訂】
ここで入院のきっかけを書いておきたい。

すいぶんしばらく長いこと体調は悪かったのだと思う。
あれもこれもぜんぶ糖尿病の症状だったんだろう。
分かっていながら放置していたのだから。
とりあえず、その話は改めて書くとして、直近の入院までの経緯を書いておく。

内科の初診日は6月15日(月)。
その1カ月くらい前から、右脇腹に違和感があった。
酒を飲み過ぎると肝臓が腫れるというから、きっとそれだろうと思っていた。
体を右に向けて横になると圧迫感があった。
ちょっと酒を抜けば治まるんだよ。と、自己診断。
連休前後は、ひどい「めまい」を抱えながらも、奥尻やら花見やらで連日飲酒。
酒を飲むと、酩酊感で「めまい」が相殺されるので、
足下がふらつくにもかかわらず酒量は減らさなかった。

  「めまい」はその後ゆっくりと快方に向かった。
  飲酒でめまいが相殺される件に関しては、
  耳鼻科の瀧先生(函館中央病院)に話してみたら、
  「そんなこともあるかも知れませんね」と笑われた。

このころから日記ブログの更新が滞ってしまったので詳しくは覚えていないが、
手帳を見ると外での飲酒は週1回程度。自宅晩酌は3日に1度くらいのはず。
毎朝10時ごろ起きて事務所へ。メシは食べずに14時くらいまで原稿書き。
がっちょり昼飯を食べて、事務所の床で16時くらいまで昼寝。
21時くらいまで仕事をして、港町のアークスで半額弁当を三つ買って帰る。
テレビを見ながらビールを飲みつつメシを食い、酔っぱらって26時ころ就寝。
そんな生活スタイル。不健康きわまりなし。
しかし、朝メシを食べないのは仕事のため。朝がいちばん集中できるので、
消化に血をまわしたくないのだ。昼食までの数時間は、夜の数倍も働ける。

日を追うごとに、じんわりじわじわと脇腹の腫れが気になってくる。
じゃっかんの痛みもともなうようになってきた。
5月下旬から6月上旬は、田んぼと学校の取材で忙しかった。
取材中はしゃきっとしているのだが、事務所に戻ると疲労困憊して床に寝転がる。
原稿書きに集中できず、いつもより輪をかけて遅筆になる。

腫れを発見したのは、初診日の10日ほど前だ。
あれ? もしかして腫れてんじゃん。なんか痛いし。
正直に告白すると、僕はポコリとふくらんだ脇腹に手を当てながら、
怖くて怖くて仕方なかった。このとき、腫れの原因はてっきり肝臓だと思っていたので
もうきっと脂肪肝どころじゃない状態になっていると思ってた。
アルコール性肝炎もしくは肝硬変とか。

6月10日(水)、横になると仰向けでも痛みを感じるようになる。
食事後は、内側から圧迫されているような痛み。
気になって眠れない。この前日は、テレビの収録でたくさん飲んだので、
それが痛み増加の原因だろうと考え、しばらく酒を控えようと決めた。
朝、起きてすぐは、それほど痛みがない。
12日(木)の朝は、腫れも治まったような気もするし、気になるほどの痛みも無し。
よかった。病院に行かなくても良いかも。それにしても疲れやすい。
13日(金)。だめだ。腫れも痛みもぶり返してきた。寝ても治まらない。しかし週末。
めまいの時も、通院を迷っているうちに土日になってしまった。
それで、自宅から一番近い市立函館病院の休日外来を受診しようと思ったら、
他を当たってください、と断られてしまったわけだ。
土日は安静にして、月曜日に病院へ行こう。
ホームページで函館中央病院の外来受付時間を調べる。
かかりつけ医はいないし、どんな病気かわからないので、
やっぱり総合病院に行きたいと思った。ここ最近、通い慣れていた病院だし。

痛みと腫れにおののきながら週末を過ごす。
15日(水)、7時起床。痛い。腫れてる。熱い。
8時に中央病院到着。初診受付をして内科の外来受付へ。
問診を受けて、9時半くらいに診察。エコー検査。
「これかな。あーあー、ありました。膿傷ですねー。」
採血、検尿、CT(造影剤たっぷり)。結果を待って、ふたたび医師と対面。

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2009年6月15日
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函館中央病院
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体重 105.6kg

GOT 46
GPT 75
γ-GTP 301
LDH 360

総コレステロール 355
中性脂肪(LDL、悪玉コレステロール) 266

尿蛋白 4+
尿糖 4+

血糖 351
HbA1c 12.8


「はい。今日から入院です。」
「はっ、今日からですか? そらまた急ですね。」
「糖尿病ですね。数値がなかり悪いですよ。膿傷、体内に膿がたまっているんですが、
 ふつうの人ではありえません。糖尿病で抵抗力が落ちているからです。」
「ちょっと抱えている仕事もありまして。
 それを終わらせないと入院費もままならないし。2週間は長いし。」
「でも、体が腐っているわけですよ。膿があるのは筋肉の内側の深い部分です。」
「わかりました。先生、時間をください。」
「来週なら大丈夫ですか?」
「あー、でも来週だと、あのほら、高額医療費の手続きで損するというか」
「どうしましょうねー。糖尿病の治療と膿傷は同時に治療しないと...」
「いますぐの入院は無理ですが、毎日通院することはできますが。」
「じゃあ、今日から1週間、点滴をしに来てください。」
そんなわけで、その週は毎日朝10時半に通って点滴を受けた。

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◆初診日の帰り際に渡されたメモ。入院までの3週間は、ほぼ指示通りの生活をした。
◆飲酒は入院の4日前に、仕事(テレビ収録)のために1度だけ。
◆糖尿病の自己注射薬を宣伝するメモ帳なのが、なんとも脅迫めいていて効果的だった。


さて、これが1週間後の数値。

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2009年6月22日
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函館中央病院
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体重 105.6kg

GOT 41
GPT 61
γ-GTP 206
LDH 238

総コレステロール 259
中性脂肪(LDL、悪玉コレステロール) 182

尿蛋白 4+
尿糖 4+

血糖 229


「コレステロール値が100も下がってますね」
「いったいぜんたい、どんな食生活をしてたんですかね。自分のことながら。」
「ふつうはこんなに下がりませんから。」
「じゃあ、入院はしなくても良さそうですか?」
「いーえ。覚悟を決めてください。」

こうして、入院の申し渡しから3週間の準備期間を経て、
631病室の人になったわけである。

そして、入院翌日の結果。

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2009年7月6日
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函館中央病院
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体重 104.6kg

GOT 48
GPT 68
γ-GTP 171
LDH 220

総コレステロール 293
中性脂肪(LDL、悪玉コレステロール) 217

コレステロール値が上がっているのは、
収録後に食べたラーメンのせいかも知れない。
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プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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