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 左腕の点滴針が気になって何度か目が覚める。それでも懸念していたほどではない。朝方すこし寝る姿勢が乱れていたのか首に鈍痛を感じた。
 6時起床。体重測定102.3kg(前日比+0.2kg)。なんてこった。増えてやがる。空気を吸っても水を飲んでも太ってしまう俺様の身体が恨めしい。昨夜のハンバーグが巧妙な罠だったのか。
 7時、血糖値測定。162。入院後の最低値を更新。それでもあと60は下げる必要があるということか。まだ点滴は続くのだろう。気が滅入る。

 7時51分、朝食が配膳される。直前にインスリン注射。

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◆ごはん195g(半分残す)、味噌汁(とろろ昆布)、蒸し天かま(三分の一残す)、おひたし(山吹和え)、うの花、牛乳。生野菜(千切りキャベツ)を追加。

 9時30分、血圧測定134/77。測定中は話しかけないでほしい。すこし数値が上がるのよ。
 昨日の日記(ブログ)を書いた後は、これまでの検査数値をエクセルにまとめていた(下記画像)。2003年12月からの検査数値をまとめて記録してあるのだが、現在がもっとも悪い状態だ。実はここ1年分のデータ入力をサボっていたのだが、入力しながらあまりの酷さに愕然とした。

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◆事故や災害現場で負傷者が同時多発したときに使われトリアージタッグを真似て、検査数値を深刻度(進行度)に合わせて色分けしている。無色→黄色→橙色→赤色→黒色の順。トリアージタッグの場合、黒色はカテゴリー0で死亡。

 そんなことをしているうちに昼食どきに。
 12時、血糖値測定。192。
 12時32分、お昼の時間。インスリン注射

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◆ごはん195g、親子とじ、のり和え。

 また献立表と違う。コロッケと書いてあったが。揚げ物が出てくるのは奇跡と言っていい。それだけに、献立表で見つけるたびに期待してしまうのだが。掲示してある献立表には「常食」と「全粥食」があるのだが、常食メニューに脂質が高そうな料理がある場合は、どうやら全粥食のおかずに差し替わっていることが多いようである。

 点滴があるのか、ないのか。わからないまま点滴針は刺さったまま。外出(運動療法の実践と検証)もできない。すこしいらいらしつつ仕事をする。

 16時過ぎ、看護師から「今日は点滴がないので、針を外しましょうか?」と言われる。本日の点滴がない、という判断はいつの時点で下されたんだよ、と問いたいのをぐっとこらえて、刺され損でした、と小さくつぶやいて腕を差し出す。

 17時、血糖値測定。192。昼食前と同じ数値だ。
 17時50分、夕食到来。お魚大きい!

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◆ごはん195g(四割残す)、鮭ゆず味噌焼き、かぼちゃあんかけ。生野菜(千切りキャベツ)を追加。

 夕食後、便通あり。腎臓の薬の影響で便秘なのだが、久しぶりに七割ほどの快便感。ただ、便が硬くてお尻が痛くなった。おかげさまで痔ではない。

 21痔じゃなくて21時、血糖値測定。175。

 家人は勤務先の忘年会とのこと。しかも、病院のすぐ近くの居酒屋で。俺が入院してから二度目の酒席だ。うらやましい。うらめしい。22時半ころ、いつものバーでひとり二次会をしているとメール報告。ちくしょう。1時前に帰宅したというメールが届いていたが、そのころは俺は夢の中。
 2時に排尿で起きたが、あとは朝までぐっすり。寝る姿勢における首および肩の痛みの回避方法を(いまのところ)完全に体得したと宣言して良いだろう。のど元過ぎればなんとやらで、このまま放置してしまいがちだが、そのうちまた痛みが繰り返してしまうのだろうから、早急に原因を究明しておきたい。

 体重測定102.1kg(前日比-0.1kg)。減らない。
 7時、血糖値測定。190。ようやく200を切る。食前のインスリン注射なし。

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◆ごはん195g(半分残す)、目玉焼き、春雨サラダ、味噌汁、小松菜おひたし、ふりかけ。キャベツ千切り。

 9時、血圧測定。124/64。ほどよい。
 外出届を請求。昨日はお散歩(運動療法の実践)ができなかったので、今日はしっかり歩いておきたい。本日も点滴ありということになったので、「昨日、先生から外出後でもOKをもらっているので、17時からにしてください」と伝える。

 11時、主治医回診。もう少し血圧を下げた方がよいけれど、それでも高すぎるという状態ではないので、腎臓に影響のある降圧剤を止めることに。

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◆ごはん195g(半分残す)、白身魚、大根おろし、中華風冷や奴、牛乳(飲まずに在庫)。千切りキャベツ。

 献立表にはスパゲティーミートソースとあるが、そんな欠片もないメニュー。
 急いで食べて、12時50分に病室を出る。院内のATMから半年分の家賃(住宅ローン返済分)を引き出して、病院近くの銀行で引落口座に入金する。とりあえずこれで半年間は月末にハラハラすることはない。あと三年半で解放される。

 本町交差点(北洋銀行前)で、赤紙(召集令状)を模した戦争反対のビラを配っていた。今日は1941年(昭和16年)に日本による真珠湾攻撃があった日。勇ましく威勢よくはじめた戦争は、あっという間に泥沼へと「転進」していく。戦争をおっぱじめるのは国家として政治家として軍人として、下策中の下策だろう。いま、大きな犠牲を払って手に入れた「平和」という価値観の軸がずれて、気がついてみれば焦臭い時代の空気に包まれている。せめて、想像をしてほしい。あなたの手もとに、あなたの最愛の人の手もとに、あなたの子どもの手もとに、こんな紙が届く時代は不幸と言うほかないことを。

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 定刻よりも7分ほど遅れて到着したバスに乗車。今日は間違えていない。210円。自宅最寄りのバス停で降車。ラーメンと排気ガスが入り交じった下界の臭い。いとおしく感じる。帰宅。
 家人とお茶を飲みながら雑談。風呂を用意してもらって入浴。浴槽につかりながら何度か寝落ちした。風呂上がり5分ほど自分の布団に寝ころがる。点滴の関係で、いつもより帰院時間が早いので、早々に戻る準備。でもその前に、ピーさんとは遊ぶ。

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 帰りは徒歩。亀田川沿いの道を下っていく。夕暮れ前の空が気持ちよく晴れていて、寒さは気にならなかった。五稜郭で外国人の団体客とすれ違う。
 行啓通で外国人個人客に道を訊ねられている若者あり。あそこでは何度か外国人観光客に「五稜郭へはどう行きますか?」と聞かれたことがある。市電の電停「五稜郭公園前」で降車するものの、その電停前に五稜郭はあるわけではない。それに、これだけ聞かれるということは、案内板が不明瞭なのかもしれない。もうひとつ気になるのは歩道の除雪状況だ。これは過去にも書いたのだが、道新の交差点から五稜郭タワー手前の交差点まで、歩道が凍結してツルツルなのだ。除雪しないままに多くの人が歩いて踏み固められ、すこし融けては氷結するのを繰り返しているからだ。しかも、日の当たる時間が少ない。せめて、あの歩道だけは、優先的に除雪するようにした方が良いのではないだろうか。五稜郭のおかげで稼いでいるタワーさんラッキーピエロ五稜郭前店とが共同で出資して、融雪剤でも散布してくれればいいのに。

 16時、帰院。さっそく点滴の準備。
 「昨日、針を抜いてしまったので」と看護師に言われて、すこし気に障る。点滴の針を抜いたことは、誰にとって「不利益」なことなのか? 俺のわがままなのか? 翌日の治療の効率をよくするために、カラダに針を刺したまま一晩過ごさせるのは、こころある治療なのか?
 終了後に外してくれるように頼むが、看護師もいろいろ理由を言ってくる。それは強制なの、と問えば「お願いです」と。最後にはこう伝えた。「納得はいかないが、ことを荒だてるのはイヤだし嫌われたくないので、おまかせします。ただ、ぼくは残念には感じている」と。
 16時30分、点滴がはじまる。意欲減退。

 17時、血糖値測定。224。
 17時48分、夕食配膳。インスリン注射。

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◆ごはん195g、味噌汁、和風ハンバーグ、もやし(青しそ和え)。千切りキャベツ。牛乳。

 ハンバーグの前に、ごはんを残すに能わず。まずは自主的に追加した千切りキャベツから食べる。食後には隠し在庫から追加した牛乳も。点滴のおかげで、すこしストレスを感じていたのかもしれない。食欲をコントロールできなかった。
 食後ふて寝。

 20時ころ起き出して仕事をぼちぼち。
 21時、血糖値測定。224。インスリン注射。
 22時、点滴終了。点滴針は留置することに。もう面倒であきらめた。

 23時、アップルストアでMBPを購入。28万円ほど。六年半ぶりの買い換えとなった。かなり迷ったが、タッチバーは不必要と判断。そのかわり、メモリやSSDを特盛りに。納品まで10日くらいかかりそう。
 夜中にトイレで2度起きる。あとはしっかり睡眠。6時起床。便秘。
 体重測定102.2kg(前日比-0.3kg)。これまでの入院時のように気持ちよく体重が減らない。このペースだと退院までに5%すなわち5kg痩せるのは難しいかもしれない。
 7時、血糖値測定。225。やはり高い。
 7時53分、朝食配膳。インスリン注射。

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◆ごはん195g(半分残す)、味噌汁、玉子焼き、ほうれん草の胡麻和え、大根かに風味くずあん、ふりかけ、牛乳。

 かに風味の大根を食べたら気持ちが悪くなる。カニか。思わず食べてしまったのは失敗だった。

 9時、血圧112/66。看護師さんに「NCVにお勤めなんですか? 昨日、契約をしたんですよ」と言われる。会社のかわりに丁重な御礼を伝えておいた。俺も契約代理店をやってインセンティブをいただこうかしら。
 午前中は仕事の書類と資料の整理。

 いつものように外出届をもらう。申請内容を書き終えたころに看護師さんがやって来て、「今日から点滴なので、外出はできないかも」と。予想外の展開。さっそくネット検索をすると、インスリンの点滴というものがあるらしい。血糖値が下がらないので、次の段階に進んでしまったようだ。

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 11時、点滴が始まる。
 右腕に刺して失敗。左腕に刺して失敗。ベテランの看護師さんが登場して成功。ここから6時間かかるという。点滴台をがらがらと押しながら動き回ることもできるのだが、いかにも病人らしい(病人なんだけど)点滴のビジュアルにやられて、なにごとも億劫になる。動きもぎこちない。
 ことここに至ってようやく大いに反省している。

 12時、血糖値測定。228。
 12時24分、昼食が来た。

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◆ごはん195g、豚肉(かすかなガーリック風味)、ポテトサラダ。

 豚肉は奇跡のように脂気なし。ポテトサラダがおいしかった。隠し在庫のふりかけをかけて米を食べきる。下膳する気力はなし。看護師さんに食器を下げてもらう。

 いつもはここで出かけてしまうのだが。久しぶりに午後の病室に滞在となったが、15時くらいまではとにかく騒がしくて賑やかだ。函館の駅前よりも人口密度が高かったと思う。
 14時、主治医回診。今日はひとりで来てた。病状についての説明。
 高血糖が続いているのは「糖毒性」が原因だろうということ。糖毒性とは高血糖状態が長く続いてきた(放置してきた)ことで、膵臓からのインスリンの分泌が低下したり、インスリン抵抗性(効きにくくなる・鈍感になる現象)があらわれたりすること。
 まずは、この糖毒性をリセットするために、インスリンの量を増やしていくのが直近の治療方針。点滴もそのひとつ。「インスリンも入っていますが、あとは生理食塩水ですので、なんというか体液を薄めるみたいなものです」という説明がおもしろかった。血液検査の結果で中性脂肪が700以上あるようで、どんだけ不摂生を続けてきたというのか。
 点滴をする時間帯はいつでも良いという言質もいただく。外出後が良いでしょう、ということだったので、明日からも点滴が続く場合には17時からにしてもらおう。

 16時半、家人が来訪。ピーさんの話をして帰る。

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 17時、血糖値測定。243。
 17時48分、夕食配膳。食事前に点滴は終了していたが、看護師さんたちが忙しそうだったので、そのまま食事に。すこし血液が逆流してるのが目に入ってめまいがする。

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◆ごはん195g、味噌汁、サバの南部焼き、豆腐あんかけ。キャベツ千切り。

 「南部焼き」というのは、胡麻(すりつぶしていない)を加えたタレに魚や肉を漬けてから焼くものらしい。そう言えば、南部煎餅も胡麻がまぶしてあるな。胡麻はあのあたりの特産ということだ。
 キャベツの千切りは家人にお願いして、コンビニから買ってきてもらったもの。ドレッシングがわりの味ぽんとともに。生野菜が食べたくて。うまい。

 18時20分、ようやく点滴をはずしてもらえた。
 看護師さんが「明日も点滴はあるかもしれないので、針はこのまま・・・」と言いかけたところを、間髪を入れず、やや被せ気味に「いやです」と返答。しかも強めの口調で。このような意思表示は、入院中の自分としては珍しいことなのだが、さすがに明日まで針が刺されたままというのはイヤだったので。たとえまた刺すときの痛みがあるとしても、だ。看護師さんも(強い意思表示に)驚きつつ「そうですよね」と同意。
 患者が看護師に望んでいるのは「技術」と「温情」だと考えている。看護技術だけが完璧でも、患者の気持ちを汲み取れない看護師が「優れている」とは言えないだろう。ニコニコしながら何度も採血を失敗する看護師もイヤではあるが。もうひとつあればいいなと思うのが「対応力」だ。

 21時、血糖値測定。233。インスリン12単位を注射。
 今夜も湿布を貼ってもらう。やはり「便利」と高評価。
 よく眠ったな。朝5時くらいだろうか。そう思いながら、トイレから戻って時計を見たら午前2時だった。首と背中の痛みをまぎらせてから再就寝。
 6時起床。
 体重測定102.5kg(前日比-0.1kg)。便秘。この三日間は蓄尿のために、一度排尿(採尿)してから用便に望む流れになっていたので、排尿しているうちに便意がおさまってしまうのだ。その繰り返し。腹も張るし体重も減らない。
 7時、血糖値測定。222。
 8時、朝食。なかなかインスリン注射をしてもらえなくて食事が遅くなった。

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◆ごはん195g(半分残す)、味噌汁、ボイルソーセージ、切り干し大根、カボチャのバター醤油煮、ふりかけ、牛乳。

 バラエティ豊かな朝食。ごはんを残すのが惜しかった。ソーセージもカボチャもおいしくて。

 11時、主治医の回診。「あ、今日は居たね」とご挨拶される。
 医師に確認すると、やはり「強化インスリン療法」をしているとのこと。数値上、インスリンの効きが悪い(血糖値が下がらない)のは、インスリン投与の初期段階では効果が出にくい場合もあるということだった。ただし、他の検査結果によっては、「ついにインスリンが分泌されなくなった」という可能性もある。とりあえず起床時の空腹時血糖が100くらいにならなくては話が始まらないようだ。インスリンをもっと増やすとのこと。
 首と肩の痛みについて言いそびれる。次回、整形の受診をお願いしよう。

 12時、血糖値測定。300。朝のごはんを半分残したのにな。
 12時20分、お昼の時間。インスリン注射。

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◆ごはん195g、タラをわずかにスパイシーな味つけしたやつ、小松菜の香和え(おひたしに香りを足したもの指すらしいがよく分からず)。

 おかずがそうでもなかったし、今日は午後から運動をする予定はなかったので、ごはんを半分残そうかと思ったが、添付されてきた減塩醤油の魅力に負けて醤油ご飯を食べてしまった。幼稚園児のころ、あれはたしかドリフで志村かカト茶がごはんに醤油をどばどばかけているのを見てから、醤油かけご飯ばかり食べていたときがあった。幼稚園児のときはひょろっとして痩せていたんだけどな。

 13時30分、NCVのお迎え。大雪のなかをそのまま桔梗町まで護送され、その場でナレーション原稿を書かされてナレーション録り。2時間ほどで終了。これで金曜日からの配信に間に合うのかな。その後、次回の番組企画の打ち合わせを立ち話レベルで。企画のもとはそれぞれおもしろそうだけど、年明け〜年度末にかけて時間がなぁ。確定申告もあるし。
 病院までNCVのクルマで送ってもらう。16時45分、ぎりぎりで病室に戻る。

◆送迎される途中で見かけた驚愕映像(素晴らしい運転技術)

 17時、血糖値測定。268。昨日、45分ほど散歩した後の測定値が269。運動することで摂取したブドウ糖を消費するので、血糖値にもよい影響があるはずだが、昨日今日では差異が見られなかった。食べたものの糖質(カロリーではない)の違いも影響するのかもしれない。

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今日はピーさんに会えなかったので、家人に写真を送ってもらった。

 17時50分、夕食配膳。インスリンの注射をしてもらえなくて5分ほどお預け。配膳で忙しそうな看護師に、後でもお願いできるような用事を頼むなよな。おかげさまで、食事はすこし冷めてしまった。イタリア人なら怒り心頭だろう。冷めたピッツァと伸びたパスタにはがっかりしかない。今日の晩ご飯はどちらでもないが。

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◆ごはん195g(半分残す)、鶏胸肉の甘酢あんかけ、煮豆(甘い)、牛乳(在庫から出品)。

 甘い煮豆なんぞ、ふだんは食べないのだけれど。刑務所の食事では甘味が貴重だという話だが、すこし近いものを感じる。甘酢あんかけも絶対に自分ではチョイスしない料理だ。煮豆は牛乳を飲みながら食べたら幸せの味がした。

 21時、血糖値測定。259。
 22時ころ布団に入る。隣のおじいさんがテレビをつけっぱなしで大イビキ。テレビカード(1枚1000円)の残数がどんどん減っているのかと思うとどきどきするね。
 今回の入院では、インスリン注射という新たな治療が加わったので、病気のおさらいをするために、日本糖尿病学会編『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン』を読み直す。患者向けには『糖尿病 治療の手引き』という書籍があるのだが、解説がさらっとしていて読み応えがない。お値段は『手引き』の6倍するが、知識を得て納得しながら糖尿病を治療したい人は『ガイドライン』の購入をすすめる。

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専用の針を刺す(鼻毛を抜くよりは痛くない)

 さて、ブログを読んだ幾人かから驚きとともに質問があったのだが、インスリン注射について説明しておく。
 毎日お昼から外出しているので、入院初日の回診から主治医とお話をするタイミングを逃している。その間に、血液検査の結果が出て、食前と就寝前のインスリン注射が始まったわけだが、現時点では治療方針の説明は受けていない(自分としても、まだ実施中の検査もあるので、それらの結果が出そろってからの説明・相談でも良いと考えている)。
 ただ、前掲書や看護師さんのつぶやき、その他の情報などをつきあわせると、俺はいま「インスリン強化療法」をおこなっているらしいことはわかった。これはごくごく簡単に説明すると、本来は膵臓で分泌するインスリンを、注射によって体外から補給して、その分だけ膵臓(の働き過ぎ)を休ませるというもののようだ。
 インスリンがなぜ必要かは、糖尿病の説明から始める必要があるのだが、そこは読者諸賢のグーグル検索能力にお任せするとして、ひとことで解説するなら「代謝の異常」ということになる。もうすこし噛み砕くと、食事によって取り入れた糖分(ブドウ糖)を体内で分泌したインスリンでは消費しきれなくて余った分が血液にあふれてしまう病気、ということになるのだろうか。もっとも知られている症状としては尿に糖が混じることだが、それは症状のひとつであって病気そのものを指すわけではない。これは以前から提唱しているのだが、糖尿病(本来的には糖尿症)は「慢性高血糖病」などに名称を変更してもらいたいものだ。糖尿病はラテン語の訳文だったはず(古代ローマ時代から尿が甘くなって身体がだるくなる症状は知られていた)。
 ブドウ糖が血液にあふれた状態、つまり高血糖状態になると、体内では血管の劣化が進むことになり、いわゆる合併症と言われる別の重篤な病気を発症させる要因となってしまう。これが糖尿病の危険性である。おもな合併症としては、失明、腎臓機能の低下、末梢神経の障害など。脳梗塞・脳卒中・心筋梗塞(いずれも血管の疾患)のリスクも高まると言われている。
 糖尿病には1型と2型があって、ぼくの場合は肥満を原因とした2型糖尿病である。膵臓はちゃんとインスリンを分泌しているのだが、それ以上に(ブドウ糖を代謝できる量を超えて)ごはんを毎日腹いっぱい食べていたので、体内のインスリンでは追いつかなくなってしまって糖尿病を発症したわけである。だから前回の入院までは、完璧な食事制限による体重減少によって、およそ2週間ほどで血糖値が正常の範囲に戻っていた。
 ただ、今回は病状が進んでいるようだ。検査結果を見るまではわからないが、膵臓の機能が格段に落ちてしまっているのではないかと思う。今年はふだんよりも仕事量が多くて、リフレッシュ(生活を仕切り直す)するタイミングをつくれないままに、ストレスフルな毎日を過ごしていた。だんだんと食事量は増えていき、運動量は減ってしまっていた。毎月の検査結果も、ここ半年は坂道を転げ落ちる岩のような勢いで悪化した。糖尿病の自覚症状も出てきていた。さらには、なんと酒があまり呑めなくなってきた。とにかく、調子が悪かった。10月には年末の入院を決めていたが、それまでは自分のカラダを省みる余裕をつくることができなかった。いつもの年よりも多く稼いだと思うが、その分だけカラダを壊してしまっては意味がないことだ。

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にじみ出た血液を測定器にひたすと数秒で血糖値が表示される

 ということで、ここからようやく入院日誌に。

 6時10分起床。昨夜は23時〜2時半、3時〜今朝まで眠ることができた。どうやら痛みがあまり出ない姿勢を見つけられたようだ。依然として首や肩は張っているし、角度によっては鈍痛から激痛へと変わる。

 便秘気味。体重測定102.6kg(前日と同じ)。くやしいけど仕方がない。明日に期待しよう。
 6時40分、血糖測定。211。すこし下がってきたのか。

 7時45分、来た来た朝食。

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◆ごはん195g(半分残す)、味噌汁、ツナおろし、アスパラと豚肉の炒めもの、冬瓜のあんかけ煮、ふりかけ。4.5単位360kcal。

 朝食のごはんは今日から半分に残すことにする。午前中は病室で安静にしているので、インスリン注射による低血糖症状が出るおそれもないだろう。カロリーもそうだが、ごはんの糖質が気になる。

 9時、血圧測定。108/66。低っ。
 午前中は請求書を書いたり、仕事のメールを何本か送ったり。

 12時、血糖値測定。277。
 12時25分、昼食到来。

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◆ごはん195g、麻婆豆腐、中華スープ、ナムル、牛乳。

 小躍りする。麻婆豆腐!ごはんにかけました。ああ、唐辛子を忍ばせておくべきだったか。いつも食べている麻婆豆腐の1万分の1くらいの辛さだ。たぶん花椒も入ってないだろう。それでもこれは麻婆豆腐だ。こんなに嬉しいことはない(アムロ レイの声で)。
 午後は活動的になるので、ごはんは残さないことにする(前回の入院まではインスリン注射がなかったので三食ともごはんを半分残していた)。

 13時10分、外出。今日もバスで自宅まで向かう。
 「五稜郭(シダックス前)」バス停から、たぶん違うな、と思いつつ、最初に来たバスに逡巡しつつ乗ってしまう。案の定、ここで曲がるなよ、という道でしっかり右折。ここで左折してくれ、という交差点で右折。ぐるーっと遠回りして、それでも自宅までいちばん近いバス停「本通小学校裏」で下車。そこから歩いて15分かかった。正しいバスに乗るよりも2倍くらいの乗車時間があったが、料金は210円で同じだった。おそらく3系統とか31系統のバスだったと思う。経由地に「本通農協」という見慣れた文字があったので乗ってしまった。そう言えば、子どものころに実家から駅前・五稜郭方面へ行く市営バスは3とか3-1だったな。美原方面に行くのは函館バスで9とか90だった。
 いまは小さめのバスが多く走っていて、やはりあきらかに通路が狭い。通路に立つと邪魔になりそうで乗車口に立っていたが、それはそれで邪魔くさかったと思う。優先席が多くていくつか空いていたが、なんとなく座るのをためらっているうちにバスを降車した。

 けっきょく帰宅したのが14時。今日は家人が居て、お風呂の用意をしてもらっていたので、さっそく入浴。雑誌を読みながら30分ほど湯につかる。その後、かるく背中を押したり揉んだり踏んだりしてもらって、ありがたい心もちのまま昼寝。

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ピーさんとも遊んだ。

 16時、自宅発。戻りもバスにしようか迷っていたが、外に出たらキリッとした空気が寒いけれど気持ちが良かったので歩くことに。五稜郭公園の外周を経由して病院へ。30分ちょっとの散歩。最後は鼻水がずるずるだった。16時40分、院内のローソンに寄ってから病室へ戻る。

 17時、血糖測定269。今日はあまり下がらなかった。食事内容との兼ね合いもあるので、そこを探っていくのがこれからの愉しみになるかもしれない。
 17時50分、夕食配膳。

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◆ごはん195g、味噌汁(白菜)、大豆の五目煮、サバの西京焼き。7.5単位600kcal。

 迷ったが空腹には勝てず完食。明日の朝食まで13時間以上あるので、あまりムリはしないようにする。まだ入院して5日目なのだ。

 21時、血糖値測定。332。
 就寝前にインスリン注射(持効型溶解「トレシーバ」8単位)。
 消灯に合わせて布団に入った。
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プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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