糖尿病【入院】日記の最近のブログ記事

7月14日(火)

いかにも、糖尿病の治療のために入院中。ここの亀。九日目。
この病院の正式名称は「無料又は低額医療施設 函館中央病院」という。

隣の爺さんが病室に戻ってくる。それで起きた。4時起床。
少しは落ち着いたのだろうか。ちょっぴりストレス素因。
まぁ、お互い様のご近所づきあいだし。

4時半から原稿書き。9時くらいまでにはアップしたい。
今日は天気も良くて暑くなりそうだ。

採尿。便秘。体重測定はまたあとで。
6時50分、看護師さんにうながされて体重測定。
その前にトイレに行くものの、出ず。ちくしょう。
本日の体重102.2kg。600g増量。昨日お散歩してないしな。
頭脳労働はカロリーを消費するけど、体重減少までには至らない。
100kgを切ったら、お祝いに焼き肉食べ放題へ行きたい気分だ。
(お酒じゃないところに注目すべきだと思うよ。)

隣の爺さんが、どうやらしきりに看護師さんの腹をさわるらしい。
「だめ。そこはお父さんのものだから。」
カーテンの向こうから聞こえてくる会話に、
窓際のふたり(俺と昨日入院したおじさん)が思わず笑い出す。
笑いが止まらない。なにしてんだよ。

朝日がまぶしい。
7時半、朝食。ご飯、味噌汁、温泉卵、煮野菜、牛乳。牛乳は昨日の残りを飲む。
入院前は1日1リットルだったけど。
牛乳もお米も仕事だからとずいぶん大量に摂取していたな。

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◆野菜は煮てしまうと、こんなもんかってくらい体積が小さくなる。

血圧測定147の83。
低いねぇ。いいねぇ。投薬前、頭痛かったな。

朝食後、いっきに追い込んで9時前に原稿アップ。
今日は腎臓の診察があるから、午前中の仕事はこれまでかも知れない。

9時、川嶋先生から電話。来月、腰の病気で入院するという。
しかも、ここ函館中央病院に。
「実は、いま中央病院に入院してるんですよ。」
「あらあらまあ。」と、いつものように川嶋先生は上品に驚く。
本当はすぐに入院と言われたらしい。
ただ、26日に北洋資料館の海藻おしば教室があるので、
その後でということにしたという。川嶋先生は今年で82歳。
さすがに、あんまり無理をさせてはいけない年齢だ。

10時、便通。30分で3回ほど通う。そのたびに出る。
最初は堅く、そして軟らかくなった。
くそー。これが体重測定前に出ていればなぁ。

まだ診察のお声がかからない。向かいのおじさんと世間話。
なぜか名刺交換。退院したら、おじさんの職場に行くと約束する。

昨日アマゾンから届いていた糖尿病の本をぱらぱらと読む。
「糖尿病」で書籍検索してみたが、出版点数は多いものの
意外なくらい(俺に)役立ちそうな本が見つからなかい。民間療法が多い。
そのなかで糖尿病の専門医が書いた本を購入した。

牧田善二著『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)
二宮陸雄・高崎千穂著『糖尿病とたたかう 専門医が書いた最先端の治療法と知識』(ベスト新書)

いずれも糖尿病治療の重要さ(合併症の重大さ)を知ることと、
必要以上の不安を取り除くことに適した内容を持つ書籍だと思う。
(不安が募ると病院から足が遠のくものである。)
どちらも治療に関する「新しい知識」を得ることが重要だと書いてあった。
患者自身さえも抱いてしまう糖尿病への偏見を霧消させてくれる内容だ。
いまや糖尿病は国民病となった。それならば、患者や家族に限らず
誰もが糖尿病について知るべきではないだろうか。
どうしても慢性化する病気だから、社会的な治療コストはかさんでいく。
予防医療の観点からも、「知る」ことは「防ぐ」ことにつながる。

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◆昨日、一森さんからいただいた包みを開けてみる。まろみのある茶でおいしい。

たぶん11時くらい。主治医の回診。
「やっぱり血圧がまだちょっと高いので、明日から薬を半分に割ったものを追加します。」
そうですか。頑固な血圧ですな。
「昨日、聞きそびれたことがいくつかあるんですが。」
「はい。どうぞ。」
「通院のきっかけになった膿傷の状態はどうなったのでしょうか?」
「血液検査の結果では、いわゆる炎症を示す数値は出ていませんから、体の中の膿は消えていると思いますよ。」
「じゃっかん、腫れがあった場所に違和感を覚えるときがあるんですが。」
「膿は消えても、そこに膿があった跡は残ってしまうんですよ。」
「わかりました。あと、血液検査で見つかった●●●●については、どういった治療をしていくのでしょうか。」
「耳にしたことがあると思いますが、●●●●●●●●を使った治療などがありますが、いずれにしても、まずは高血糖の状態をどうにかしなくちゃいけないので、その後になりますね。」
「退院後の外来診察日を決めておきたいのですが。1カ月後くらいでしょうかね?」
「そうですねー。あんまり時間をおくと、高山さんはまた食生活が乱れる恐れもありますから、最初は早い方がいいかなー。」
びたいち信用されず。でも、僕のような暴飲暴食による糖尿病患者は、
たぶん嘘つきばかりだから、信用すんなというマニュアルがあるのかも知れない。
つーことで、8月6日に決定。広島原爆の日だ。
「眼科で網膜症の検査を受けたとき、退院後に落ち着いたら、もう一度診察を受けてと言われているのですが。」
「あっ、それは勝手にどうぞ。いつでもかまわないです。」
くくく、たまに言葉の選択を間違えるんだよね。

けっきょく午前中は診察なし。
11時45分、お昼でございます。

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◆お醤油が2袋。どちらも使用せず。どんどん貯まっていく。お金もそうありたい。

塩豆ご飯、平べったい焼き魚、ほうれんそう、キュウリの梅酢、大根おろし。

13時、ようやく呼び出し。
腎臓は泌尿器科。待合室でしばし待機。眠くなって、うつらうつら。
40分後、ようやく診察室へ。
あれ、また若い女医さんだ。いや、べつに性別は関係ないんだけど、
主治医に続いてなので、ちょっと驚く。
診察台に横になって、はい失礼しますと、ズボンを降ろされる。
いやーん、どこまでかしら。...お腹の下まででした。
くまのプーさんパンツを脱がされることはありませんでした。
「なるほどぉ」。どこに納得したんだろう。
うつぶせになってエコーの検査。
「あれ(ぐいっ)、あれ(ぐいっ)、深いですね。」
(ぐいっ)というのは検査器具を押しつける描写である。
「その深いってのは、つまり厚いってことですか。ですよね。」
「そうですね。脂肪があって、腎臓がけっこう深い位置にありますね。」
「だんだん、浅くなってくる予定なんですが。」
「腎臓の生検のためには、背中から針のようなものを入れて、エコーの映像を見ながら腎臓に射し込んで細胞を採取するんです。腎臓は血管がたくさん集まった臓器ですから、出血のリスクがあるんですが、高山さんの場合は少しそのリスクが高いと思います。それに、針が届かないかも。いや、届くかな。」
正直、刺された後で、失敗しました、もう1回ってのはイヤだ。
「じゃあ、なるべくリスクを減らすように、脂肪を燃焼する努力をしますので。1カ月とか2カ月後にでも。」
「じゃあ、いまWs先生に確認してみますので。」
電話。オッケーが出たようだ。たぶん、「どーぞー」的な回答だろう。
「では9月10日くらいの予定で。木曜日に入院して、金曜日に検査をして、月曜日に退院というスケジュールになると思います。詳しくは、木曜日にもう一度こちらにいらしてください。」
「あのー、これは検査入院になるわけですね。」
「そうですね」。そっか。
検査入院だと生命保険は出るんだろうか。お金が続くか心配だ。手術だと給付されるみたいだけど。

13時55分、いったん病室に戻ってから、すぐに糖尿病教室へ。
今日は外部講師(糖尿病の専門医、らしい)の講義。実は楽しみにしてた。
内容は糖尿病とその合併症に関する基本的なお話。
ビデオなどより、生の説明の方が知識が頭になじみやすい気がする。
ただ、30分という時間は短くて、早口で一方的な講義になってしまっていた。
「話したいことは、まだまだたくさんあるんですが、時間が来たのでここまでです。」
せっかくなので、居残っていくつか質問。少し取材モードに。
「正常な人は、食後の血糖が基準値をオーバーしないんですか? それとも、オーバーしても、短時間で下がるんですか?」
「越えないんですよ。それが正常な状態なんです。」
「講義の最初に、『糖尿病』という病名は、病気の態を表していないと言ってましたね。僕も、その響きというか印象の点から、名称を変えた方が良いと思うんです。」
「医師の方でも、糖尿病と聞くと、甘い物を食べすぎた患者とイメージする人もいるくらいで。私は『慢性高血糖症』あたりが良いと思っているんですが。」
「糖尿病という名称は日本独特のものですか? それとも、やっぱり西洋医学用語の直訳ですか?」
「直訳ですね。『甘い尿』と呼びますから。病名については、この先十年とか十五年たったころには改称されている可能性はありますけど、今のところはこのままです。」
もっと話を聞きたかったな。

14時45分、病室に帰還。ふとベッドの上を見ると手ごろな大きさの箱が。
メモが挟み込まれていて、やはり「ハコダテ150」仲間のあんきもさんだった。
洋梨さんのときも留守をしてたし、どうも女性には見舞い縁がないのかも。

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◆スパイが隠し持っていそうな物体。

覗いてみたらカレイドスコープでした。
筒の先っぽが球面レンズになっていて、外の景色を織り込んだ万華鏡画像を楽しめる。
窓の外に向けて、しばらくの間くるくる回しながら覗きこんでいた。
たぶん、その姿は向かいの窓を小型望遠鏡でノゾキ行為をする男だったに違いない。
ありがとう。

和也さんから電話があって、入稿済みの原稿の内容でトラブル。
書いても気持ちがささくれるだけなので書かない。

15時半くらいかな。やはり「ハコダテ150」仲間で、雑誌「JAM」の小林さんが来る。
チーム(見るからに)不健康のメンバーである。と、勝手にいま決めた。
最初はまじめに病気のお話。だんだん話がよれて、家電製品の話とか、
ガンプラの話とか、公共広告機構の話とか、レコードの話とか、エスパーの話とか。
エスパーの話だけを書いておく。
僕の事務所の近くに「エスパー電機」というお店があるって話題
(小林さんが高校生のときお世話になったそうだ)と、
僕の自宅の近くに「エスパーB」というアパートがあるという話題。
それだけ。あっ、マイケルジャクソンとユリゲラーの話もした。
わざわざありがとうございます。

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◆お茶セットの差し入れ。入院してお茶長者になれそうだ。

仕事場、じゃなくてベッドに戻って、次の原稿に着手。
筆がのってきたところで晩飯の時間に。

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◆バナナは残しちゃいました。おやつに入らないのに。

ご飯、味噌汁、ブロッコリーとカリフラワー、パスタのサラダ、いも、鶏肉。
鶏肉料理うますぎ。なんか炭水化物が多い気がする。腹がふくれた。
飯のあと、お向かいさんと保険の話。ガン保険の素晴らしさを教えていただく。

原稿の続き。19時半こと脱稿。ギリでした。
小樽の妻に電話。今日はマンモグラフィ検診を受けたそうだ。
おっぱいをずいぶんと引っぱられたらしい。
押しつぶす器具がスケルトン(透明)素材で、押しつぶされていくおっぱいが、
よくよく観察できたとのこと。そんなに痛くなかったと言っていた。

明日は例のターゲスだ。採血7回。
鼻血ならすぐに出るんだけどな。鼻からぽたぽた採血ってダメなんかね。
ごりごりと仕事をすると疲れるなぁ。やっぱり。
7月13日(月)

もしかしたら、糖尿病治療のための入院八日目。
函館中央病院にて。

5時半起床。強めの雨。風もある。薄暗い。寒い。
採尿。出だしはそらしてコップ半分くらい。
体重測定101.8kg。減った。嬉しい。

6時10分、ぼちぼち原稿をかいていたら、
看護師さんがベッドまわりのカーテンを開けるなり驚いていた。
「寝てるかと思ったら、目の前に背中があったから。」
夜中、窓を閉めてくれたらしい。
花かごを見て「ほんもの?」と問われる。「彼女から?」
あー、人生の先輩からいただく、こういうセリフって久しぶりだな。
(この看護師さんはちょっとだけ年輩なのだ。)
この気恥ずかしさが懐かしい。

朝食までに原稿はアップできず。いつもは平気で締め切りを破るのに、
なんだろう、この焦燥感。天気が悪くて風に当たれないから。

例のごとく顔と頭を一緒に洗っていたら、さっきの看護師さんが
「坊主頭が流行っているの?」と聞いてくる。
いや、俺は頭髪を諦めたときに、すっきりとやっちゃいました。
おしゃれ坊主じゃありません。ハゲなんです。ポジティブな。
髪が長いときも坊主になっても床屋代は一緒なんですよ、と言うと、
「あら、親戚の坊さんは奥さんに剃ってもらってるわよ。」
いいねぇ。病院で葬式坊主の話をする看護師。たいへん健全だ。

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◆朝食。やはり昨日から醤油が減塩になっている。

ご飯、煮野菜(ささげ・焼き豆腐)、味噌汁(大根葉)、牛乳。
今朝のメインディッシュである野菜の煮物には、数切れの焼き豆腐が入っている。
これ、数えて盛りつけているんだろうか。
「あら、加藤さん。それじゃあ、お豆腐が一つ多いわよ。」
「すいませーん。まだ慣れてなくてぇ。」
ってな会話があるんだろうか。ご飯はきっちり量ってあるみたいだが。

9時半、函館大妻高校から電話。校長先生からだった。
この電話を皮切りに、次々と仕事関連の電話がかかって来る。
病室もバタバタしていて、隣の爺さんが3分ごとにナースコールを押す。
10回くらいコールが連続した後、どこかへ移送されていった。

10時半、担当看護師さんから、今日の泌尿器科での診察は中止と聞く。
生体間腎移植の手術で休診だそうだ。明日改めて。

11時、病室にひとり新たな患者が入院。
これでこの部屋は満床。1週間前からいるのは俺だけ。
つらつらと思い出していたのだが、母方のばあさんが入院したとき、
旧市立函館病院の病室は8人部屋じゃなかったかな。
あっという間に死んじゃったけど。そういや、ひどい糖尿ですとか言われてたな。

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◆ホイル包み料理は無条件で特別感が増すね。

11時半の昼食。
ご飯、親子丼の具、野菜のホイル蒸し、マカロニとチーズのサラダ、バナナ。
入院してから、すっかりバナナを食べるようになった。
だって、こいつ、なかなかの目方ですから。食べなくちゃ食べなくちゃ。

このままだと原稿が終わりそうもない。
明日いっぱいまで〆切を延長してもらおうと和也さんに電話。
「あれ? 来週の月曜日でも大丈夫だよ。」
はら? そうなんだ。勘違い。今週末は退院でバタつくから、明日アップしよう。

13時8分。体温測定35.52度。血圧測定150の101。
下が高いのは、ぜったいストレスのせいだ。
胃が痛むし、胸は締め付けられるし、貧乏ゆすりを止められない。
星野さんから電話。午後から、またお見舞いに来てくれるという。
ありがたいけど、今日はちょっと落ち着かないかも。

14時、糖尿病教室。貝原益軒(「養生訓」の著者)をアニメキャラ化して、
進行役にしている。今日は合併症の話。
網膜症(失明)、腎症(人工透析)、神経症(足の切断など)。
どれもイヤだ。でも、俺は崖っぷちにいるわけだ。
小さなケガが、あっという間に壊疽へ進行してしまうらしい。
壊疽が進んだ傷口の写真を冷蔵庫のトビラに貼っておこうかしら。

14時半、教室から戻ると、入院1週間目の供述調書を取るとのこと。
取り調べに行こうと部屋を出かけたら、星野さんが来る。
ちょっと早いって。ロビーで待っていてもらって、俺は取調室へ。
この1週間で学んだこと、この先の目標、反省、退院後の生活設計、治療の方針など。
このブログにだらだらと書きつづってきたことを思い出しながら話す。
まだ、如何にして治療(食事・運動)を長続きさせるか。
その決定的な答えを見つけられていない。
月1回の診察と検査と栄養相談は、医師と栄養士にお願いした。
これは治療を持続させるのに良いファクターになりそうだが、
俺が、行きたくなくなってしまえば、はい、それまでよ、だ。
良い線はいっているが、まだ絶対ではない。
あと、もう1週間ある。入院中に画期的な方策を見つけたいものだ。

15時、ずいぶん星野さんを待たせてしまった。まず仕事の話をざっくり。
それから、あずかってもらっている亀(緒川ラッシー)の様子。
今日は星野さんの部下が、水槽の水を交換してくれたそうだ。ありがとう。
ブログの話。こんな冗長な記事を毎日読んでいただけているようで。
たとえたったひとりでも読者がいれば嬉しいものである。

星野さんが帰って、敦賀さんが来る。
仕事の打ち合わせ。今週末までに印刷納品しなければいけない。
「テキストはいつごろになりそうですか?」
いつものやりとりだが、冷徹な質問だ。うーんうーん。
「もし、夕方までに書いてもらえれば、すぐにデザインできるけど。」
あーあーあー、うーん、それはちょっと無理みたいで。ごめんなさい。
水曜日夕方の初校出しでスケジュールを組む。

とにかく電話が多い。そのたびに病室からロビーに走る。
落ち着かなくて、原稿がなかなか進まない。
向かいのおじさんと少し話す。
「冷蔵庫とテレビはけっこう金がかかるかい?」
「冷蔵庫は24時間で200円、テレビは1時間で120円ですよ。」
すらすらと答える俺に、おじさんがジョアを勧めてくれる。
うっ、飲みたい。
「ありがとうございます。でも、俺、糖尿で食事制限中なもんで。」
「そうか。そりゃ悪いコトしたな。」
このあと、しばし病気話。おお、うるわしき患者ライフ。
(眼鏡使用者が視力の悪さを競う、脂肪肝仲間がガンマを競うのと同義。)

17時過ぎ、主治医の回診。

「最初の4日間にしてもらった蓄尿の結果なんですが、あれはインスリンがどのくらい分泌されているかという検査だったんです。どうやら高山さんは、かなりのインスリンが出ているみたいで、膵臓はまだまだ現役みたいです。」

「そうですか。あいつは結構やれる奴だと思っていましたが、なかなかの実力なんですね。」

「たーだーし、その膵臓のがんばりをはるかに凌駕するほど食べたり飲んだりしていた状態なんですね。それに、肥満つまりメタボの状態であることで、インスリンの効きが悪くなっていることも血糖値を上昇させているようです。」

「痩せろってことですね。」

「はい。今までのように膵臓をフル回転させ続ける状態が長く続くと、さすがに膵臓も疲れて、ばりばり働けなくなりますから。でも逆に、体重を落としていけば、その分だけ薬の量を減らしていけるかも知れませんよ。」

希望の光が見えたような見えないような。
だってさ、目標体重は69kgだよ。あと33kgも減らすんだぜ。
幼稚園児ふたり分くらいあるんじゃねーの?
退院後はダイエット日記になるわけだな。

そうだ。昨日は靴を買ったが、体重計も買おうと思う。
いま持っている体重計はデジタル表示なんだけど。数字3桁なんだよね。
つまり、44.2kgとか60.5kgとか88.8kgとか、
0.1トン未満は100g単位まで計測できるんだけど、
俺のような体重だと、105kgとか103kgとか、いきなり1kg単位なんだよね。
なんか投げやりでしょ。お前らのような3桁やろうは、だいたいで良いんだよ。
って感じ。こんなところにも肥満の弊害はあるわけだ。

17時半、夕食です。

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◆たびたびお会いするキウイ。

ご飯、焼き魚(白身。タラかな?)、味噌汁(キャベツ)、春雨っぽいもの、キウイ。
朝の牛乳を飲み忘れた。明日は2本飲みだ。捨てる? まさか。

18時半、NCVの一森さんが来る。でかいテレビカメラとでかい箱を抱えて。
「お茶ならいいと思って。あまったら皆さんでわけてください。」
ありがとう。ナイス配慮。つーか、片手でそんなでかい箱をよく持てるね。

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◆でかい。プラモの箱にしては大きいと思ったんだ。

ロビーで今月20日から放送される「函館酒場寄港」の第4話を見る。
この時点では、放送枠(15分)の倍以上の長さに編集されている。
入院4日前、いきいきとがぶがぶ酒を飲む俺。
収録前日まで禁酒しており、それだけに酒がうまかったのでした。
それに、ずいぶんと良くしゃべっている。
これは、レポーターの仕事をしているのではなく、
ただただ本気で酔っぱらっているだけなのだ。楽しそうだな、俺。
病棟に大きなカメラを持ち込んだので、看護師さんに警戒される。
違うんです。違うんです。すいません。
声だけ収録するのにも、このカメラが必要なんです。

視線が痛かったので1階に移動。
録音に支障があるので、人の気配のない場所を探す。
けっきょく、とある暗がりで録音の準備。
なんだか、ヒミツ基地で息を潜めるガキのようだ。
ふたりとも笑いが止まらなくなる。
こういう仕事を病院でするのはやっぱり奇異だ。

今回は一森さんの台本をほぼそのままいただいてナレーションを録った。
快調に舌が回って、素早く終了。つーか、誰かに叱られる前に早く終わらせた感じ。
過去3回分の出演料みたいなものをいただく。6000円。
あー、楽しかった。でも、明日あたり強制退院させられないだろうか。
またも、ちょっと反省。秩序を乱す行為はよくないよね。

「10月以降は三平汁紀行とかどうでしょうね? 各家庭の郷土食を食べ歩くとか。」
「うわっ、ヨネスケみたい。大きなしゃもじをつくらなきゃ。」
えー、突撃となりの晩ご飯ですな。
それも楽しそうではあるけど、酒場寄港セカンドシーズンじゃダメ?
月2回の飲酒のうち、1回は仕事用と決意したのに。
番組が終了しちゃったら飲酒回数が月1回に減っちゃうよ。
まぁ、その辺は退院後の折衝ということで。

19時40分、浴室で足を洗う。これも糖尿病の合併症対策なのだ。
20時、書きかけの原稿はいったん止めて、ブログ記事の整理。
時間がない。早く早く。
明日、早起きして仕事の続きだ。
おかしな話だが、今日もおもしろい入院生活だった。
仕事は胃が痛かったけど。
7月12日(日)

そして、糖尿病入院七日目。函館中央病院にて。

思わず4時半に起床。
便秘。どうにか出す物を出してから体重測定をしたい。
5時半、向かい合わせの病棟の後ろから朝日が昇ってくる。
ここちよい。今日は13時から外出予定。晴れてると良いな。

6時10分、血圧測定。「あら、今朝は良いですね。」
154の93。ほんとだ。すげー。日曜日だから高血圧も休みか。
体重測定のリミットまで45分、便意なし。どうする。

で、出せないまま体重測定。102.6kg。くそっ。体重減少も日曜日か。
ぜったいに大腸付近に400gくらい入っているはずだ。

昨日いただいた花籠に水をやりながら、
俺はこんなもので終わる人間じゃない、と決意を新たにする。
10年ほど前、やはり100kg近くあった体重を、半年で25kgほど減らしたことがある。
医者に言われた訳ではなく、当時、気になっていた女性に交際を申し込んだら、
かるく鼻で笑われつつ「痩せたらね」と言われたからだ。
あたしゃ発憤(あれ、発奮か。辞書を見たら同じだった。)しましたね。
というわけで痩せました。
どんどんお洋服の値段が安くなって嬉しかったね。
彼女のためにおしゃれもしたかったし。
ただし、その減量方法は「若さ」と「時間」のおかげで実行できたもの。
とにかくメシは減らした。お米は茶碗の底にほんのり軽く。
お昼はカロリーメイト。あれは1本200kcalだから計算しやすい。
で、歩きました。3時間も4時間も。
当時、無職でしたから。いや、夢に向かって挑戦中だったから。
よーするにヒマだったので。コンビニバイトとたまに来る撮影の仕事だけ。
歩きすぎて、いま思えばハンガーノック(低血糖症)で動けなくなるときもあった。
そんな無茶な努力のおかげで、誰もが心配するほど痩せていった。
無事に意中の女性とも交際ができ、愛の強さを示したわけである。
まっ、その方と結婚したわけですが、けっきょく体重はリバウンドしてるけど。
あー。愛が薄まったわけではないぞー。いや、ほんとに。ほんとほんと。
ただ、最近、健康に対して自暴自棄ではあったな。いろいろあって。

ん、こんな話を書くつもりじゃなかったのに。ま、いっか。

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◆朝食。牛乳がないじゃないか!

9時5分。血圧測定、129の85。いいねー。薬物万歳。
向かいの爺さんが看護師さんに年齢を聞かれて、
「わがんねんだ。九十なんぼだ。」と答えていた。
違うでしょ、と言われて「大正2年だもの」と。
大正2年だと、1913年生まれで96歳か。ふむ。見た目はそんな感じだが。
実際は80代後半とのこと。後期高齢者であることに変わりなし。
それにしても、後期高齢者ってすげーネーミングだな。

ちょっとして、また年齢を聞かれたら「大正12年だ」と言っていた。
なんだよ。思わず声を出して笑っちまったよ。

9時半、締め切りが迫ってきたので仕方なく原稿書き。
今月末に発行する道新「函館港まつり」特集の記事。
なんだかんだと、もう8年くらい書かせてもらっている。
お祭は参加してなんぼである。開港記念イベントとあわせて盛り上がってほしいと願う。

10時35分、担当の看護師Sさんが来て、薬(アマリール)を回収していく。
10時40分、Ws先生の回診。日曜日も働いてるんだな。自営業と変わらんね。
昨日の検査(食後のターゲス)の結果、昼食後の血糖値が下がりすぎだという。
そのわりに朝食後の下がり方がいまいちだとも。
おそらく、インスリンが遅れて働き出すのだろう、と。
インスリンは飼い主に似る。ってやつだ。のんきな膵臓である。

  そう言えば、先日、実家に寄ったとき、本棚の奥で成績表(通知簿)を見つけた。
  親が保存しておいたものだろう。そういうもんなんだな。
  で、成績はずっと下の中なので、見てもつまらないのだけど、
  後ろにある先生の通信欄を読んだら面白かった。
  とにかく、小学校・中学校・高校と、すべての先生に
  「とくに問題行動はないが、計画性を身につけていきましょう。」
  と書かれていた。先生方、ごめんなさい。そのまま大人になりました。

閑話休題。
で、アマリールという「膵臓にムチ打つ薬」(主治医の表現)を減らすことに。
むふふふふ。どうよ、この快復力。若いってことか。ことか?
5mmくらいの錠剤を半分に割るんだって。職人技だな。
こちらから腎臓の検査の話をふる。
「腎臓の生検をやってもらおうかと思います。」「覚悟できましたか。」
いや、覚悟はできていない。できていないけど、治療への克己心が最大値だから。
このタイミングを逃すと、きっと、次は、ない。

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◆そんなわけで、これが入院中の最大投薬量ということになる。
◆勝手に手相占いをしないように願います。

11時、妻から電話。今日はPTAの資源回収のお手伝いだったそうで。
このブログを読んで、長くて読むの疲れると言われた。
このやろう。おまえそれでも文筆家のつれあいか。
長いのは、まずは自分のための記録だからなんだよ。
病気のことだけ書いても気晴らしにならんし。数字だけ並べてもつまんないし。
ひまを見つけてぼちぼち読んでくれ。

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◆はじめてパンが出た。

11時半、昼食。パンはちょっと胃にもたれるんだよな。
あーーーー、神戸こむぎ館のパンを食べたいなー。退院したら絶対食べよ。
ジャム(砂糖不使用)はこれぽっちで20kcalと書いてあったので、
くやしいので85%くらい残してやった。

13時10分、お出かけ。まずは、松風町の丸山靴店へ。
空に雲はありながらも晴れて気持ちよい。風もここちよい。

人力のスピードは適度な視覚情報を処理しながら思考にふけるのにちょうど良い。
そう言えば、どんな仕事でも楽しんでいたころ、原稿書きに行き詰まると
よく散歩をしていたなぁ。歩いているうちに、どんどん書きたいことがあふれてきて、
机の前に戻ると気持ちよく筆が進んだ。最近、忘れてたな。

青年センターの前まで歩いて、事務所のカギを忘れたことに気が付く。
いったん病室に戻り再出発。ちょっと時間をロスしてしまったので電車に乗る。
ていうか、市電は便利だよな。遅れないし。次は沿線に引っ越そうと思う。
松風町電停で下車。白衣の若者が、大門のアーケード歩道を清掃してた。
なんの団体なんだろう。学生っぽかったが。
大門広小路(グリーンプラザ)では、オープンカフェの「実証実験」。
どこのヒモ付きなんだ。なにを実験してるんだろ。

さて、丸山靴店。3、4年ぶりにシューフィッターの丸山さんに会う。
愛用の靴、ワールドマーチ(WM502 PRIDE)。もう8年もはき続けている。
本当はソールを交換できるのだが、皮の手入れもせずに履きつぶしてる。
1度買い換えたので、いまのは二足目である。
事前にネットで調べると、ちゃんと今も、まったく同じものが製造販売されている。
それほどしっかりと設計された靴ということ。もちろん人気も評価も高い。
8年前、靴の記事を書くために、丸山靴店を訪れたときに出会った。
当時、よれよれのブーツをはいていたのだが、
ほんとうに少し歩くだけで足の裏が痛くて、水ぶくれができるくらいだった。
取材のついでだったので丸山さんに相談すると、
靴が悪すぎると言われた。足を測定・診断してもらい、
歩きの実情を聞いてもらった上ですすめられたのがこの靴である。
はき替えたとたんに、足の痛みはすっかり消えた。
大げさでなく、いくら歩いても足は痛くならないのだ。まるで魔法のように。
改めてメーカーのサイトを確認すると、
「1日40km以上歩くウォーカーのための究極の1足。」とあった。
函館から木古内である。函館から森町である。そんなに歩けないし歩かない。
でも、全力で僕の足をサポートしてくれる靴だ。マジでおすすめ。

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◆これ。いっさい手入れをしていないので見る影もないが、ほんとに良い靴です。

今回も同じ靴を買おうと思っていたのだが、専門家の意見も聴いてみたいところ。
「人気があるのはヨネックスですね。クッション性能が高い靴底で、
 踏み出しが軽く、気持ちよく歩けますから。」
体が重いと膝にくるしなぁ。
「僕がいま愛用している靴と性能的な違いは有るのでしょうか?」
「快適に歩くという点では同じだと思います。ヨネックスの方は、
 歩きごごちが軽いと感じると思いますよ。耐久性も同程度です。
 高山さんはあんまりお手入れをされる方ではないので、
 こちらの靴のほうが良いかも知れませんね。」
かるく逡巡した上で、足下をモデルチェンジすることにした。
購入したのは「YONEX 旅ウォーク MT-03」。
6mの高さから卵を落としても割れないパワークッション採用。
道具にこだわるのは好きだ。そして、プロを相手に買い物をするのも好きだ。
こちらの要望や質問にぱきぱきと応えていく接客。これでしょう。

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◆若松町の長屋建築。軒のよれ具合がよろしい。

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◆雑草が演出する小路の踏み跡。積み重なった時間が見える。

14時半、海岸町の事務所まで写真を撮りながら歩く。
駅前からゆっくり歩いて約20分だった。
事務所で「海藻おしば」作品のラミネート加工。
途中、仙石くんとなおちゃんが顔を出す。
「あれ、また、いる。」「あれ、見つかっちゃった。」
約束の17時までに作業が終わりそうもないので病棟へ電話。
17時半にまけてもらう。日ごろのおこないが良いのであっさり許可。
17時10分、ようやく作業終了。あとは病室に持ち帰って最後の工程をおこなおう。
オーシャンタクシーに電話。「あっ、お向かいの高山さんですね。」
運転手さんとの会話が大好きだ。
「モーモータクシーに対抗して、イカタクシーとかどうすかね?」
あんまり唐突すぎて、運転手さんが反応しにくそうだった。中央病院まで930円。
17時25分、病棟に帰還。ぎりぎりだった。

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◆谷地頭町「酒保 小西酒店」 純粋もっきり屋さんです。厳密に言えば、立ち飲み屋とは違う。
◆あくまで酒屋さん。火を使った調理はできない。お燗もダメ(レンジでチンはオッケー)。
◆いわゆる立ち飲み屋とは、客席における飲酒時姿勢が「立っている」ということ。

17時半、テーブルの上の●ー●●●コ●をベッドの上に移動し、
配膳された夕食のトレーを乗せたとき、背後から声が。
振り返ると、「函館酒場寄港」の収録でお知り合いになった高橋さんだ。
びっくり。ブログを読んで、とのこと。すいません。催促したみたいで。
谷地頭町の小西酒店で赤玉スイートワインをご馳走になった。
なぜか、次の収録先(丸善瀧澤酒店)でもご一緒になって、
収録後、大門広小路沿いの「フェルマータ」でもう一杯。
「収録の時はすでに不調だったんですね。飲ませてしまって申し訳ない。」
とんでもない。好き好んで飲んだくれていただけで。うまい酒でした。
高橋さんの名刺には「好きです 酒と音楽と落語」とある。
思い切り趣味嗜好が重なってるんですが。ちなみに、僕の贔屓は志ん生ですな。
しかも、ツールを観戦しているそうだ。くそ。くそ。俺も俺も。
夏には江差までのサイクリングに誘われる。ママチャリで。
退院したら新しい自転車(クロスバイク)を購入しようと思っていたので
ちょうど良いかも知れない。距離にして約80kmだって。
一献の縁でわざわざお越しいただいて恐縮です。そして感激です。

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◆大相撲を聴きながら夕食。

ご飯、サバ塩焼き、もやし、フキ炒め、味噌汁(白菜)、減塩醤油、大根おろし。
そして肉じゃが。今夜のは肉が入っている。俺は幸せ者だ。
これでビールが飲めたら、もっと幸せだろう。月2回、月2回、月2回...。

採尿用の紙コップを渡される。明日、腎臓の件で泌尿器科で診察。
入院中に検査はできないか確認したら、別の病気なので一連の治療にはならないそうだ。
たぶん、医療制度上のことなんだろうけど、いびつな感じがするね。
それにしても、痛い検査はイヤだな。これ以上、病気を抱えるのも凹むわ。
仕方ないけど。

嗚呼、もう消灯の時間は過ぎている。
忙しくて原稿を書くヒマがなかった。明日、起きてからだな。
書きそびれていたターゲス(Tagesprofile)の結果を記録しておく。
これは1日の血糖値の推移を確認する検査。
ターゲスなどとドイツ語で専門用語丸出しだが、1日の記録くらいな意味らしい。
(ドイツ語の講義は初回だけ出席して逃げたので知らん。)
入院の2日目におこなった。次は10日目にある。
6日目には食後だけの採血があった。

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2009年7月8日
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函館中央病院
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【血糖値】  ※正常値 空腹時:〜110
            食 後:〜140

  参考 6月15日(空腹)  351
     6月22日(空腹)  229

朝食前(7時)   146
朝食後(9時半)  230 食前後に投薬
昼食前(11時)  189
昼食後(13時半) 184 食前に投薬
夕食前(17時)  141
夕食後(19時半) 196 食前後に投薬
就寝前(21時)  202


ご立派な糖尿病である。それにしても、初診(6月15日)の数値は見事。
そして、その1週間後の数値も、高くはあるが努力の成果が見えるじゃないか。
その時点では、糖尿病の薬は飲んでないからね。
とは言え、投薬の効果もすごい。医学は科学(化学?)だ。
それでも、異常値を示してはいる。最初のターゲス後、薬が増えた。

血糖値が下がったことで、
あきらかに口乾(ノドが乾く)・多飲(水がぶ飲み)・頻尿(1日10回以上)の症状はなくなった。
わずらわしくなくて良い。でも、自覚できる症状としては、それだけだ。
糖尿病は「勘」や「感覚」では判断できない。かきっと数値を見つめていくしかないのだ。
7月11日(土)

さらなる上は、糖尿病の治療入院六日目である。ここは函館中央病院。

6時起床。だんだん遅くなってきた。
今日も朝は雨。体重測定102.4kg。ちょっと便秘。
昨夜は月がまぶしかった。

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◆10日、21時の月。立待月。
◆月が赤く見えるのは地球の大気のチリなどが影響している。らしい。
◆1/60 F6.3 ISO3200 270mm AUTO 手持ち撮影

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◆11日、午前1時の月。居待月。カーテン全開の窓から、こうこうと月明かりが見えた。
◆1/4000 F6.3 ISO3200 270mm AUTO 手持ち撮影
◆いまさらながらデジカメはすげーな。これくらいはお任せであっさり撮影できる。


7時、洗顔。やはり頭まで洗う。頭髪1.2cm。伸びてきたな。
ひげともみあげをトリミング。
向かいの爺さんは、挨拶をするたびに困惑した表情になる。
耳が遠くて聞こえていないのかも知れないな。

血圧測定。173の110。

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◆今日も無事に朝食にありつけました。

7時35分、朝食。
ご飯、味噌汁、梅びしお、大根そぼろ煮、白菜甘酢和え、牛乳(180ml)。
牛乳は冷蔵庫に隠しておく。夜に飲もう。
そぼろ煮がほのかに暖かくて嬉しい。小さな喜び見つけ上手になっていく。
食事中に2枚目のテレビカードがなくなる。
そう言えば、携帯電話はワンセグを受信できるんだよな。
病院の売り上げに貢献できないのは申し訳ないけど、そっちで見よう。
どうせ、食事のときにニュースを見るというか聞くだけだし。

8時、歯磨き。いちど電動歯ブラシを使うと手放せなくなる。
そういや、昨日の夜、爪楊枝を使っていたら、奥歯が欠けた。
小学生のころ詰め物をして、一昨年、そいつが取れた。
それから、ゆっくりと奥歯は崩壊している。
ちなみに、糖尿病では歯の治療もままならない。

今日は土曜日なので、ちょっとゆっくりカミさんに電話をする。
職員室でブログを見たとのこと。外野(他の教職員)がうるさかったらしい。
パンツの一件は、だいぶ笑われた。そんなもの見慣れてるでしょ、と結論。

8時50分、雨が上がり雲が晴れ、土曜日の楽しげな日ざしがあらわれる。
病院にいるのに、なんて快適。窓からは、少し湿った涼しい風。
今日は食事後の採血がある。

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◆注射への恐怖から、絞りもシャッタースピードもスピードライトも忘れて撮影。

9時半、血圧測定。169の112。薬服用前とほとんど変化なし。
看護師さんに「立派なもんです」と言われた。高いという意味だよね?
すぐに看護師詰め所に移動して採血。たぶんトンボ針ってのを使ってた。
以前、通院したとき、僕の細くて弱腰で引きこもり気味で痛がりの血管には、
これが良いでしょうってことで、この針で採血されてた。
細いから時間がかかるんだって。でも、痛くないから、こっちの方が良い。


11時、Ws先生の回診。

  諸注意を受けたので、残念ながら以後は医師名を匿名とします。
   > プライベートな日記ではありますが、
   > 取材して執筆し公に発表することを職業としていますので。
   > 良かれと思ってのことと信じていただきたいですが、
   > 取材者としての思い上がりもありました。
  どうしても、自分が良いと感じたことは、多くの人にも触れて欲しい思うもので、
  なるべく多くの情報を知らせて、その一助にと書いてしまうのですが。
  病院内の常識を逸脱してたようで。反省。
  僕にWs先生が名医かどうかを判断することはできませんが、
  治療に対して親身かつ厳正な先生であると、僕の責任で評価します。
  また、採血について「痛い」「イヤだ」と書いていますが、
  それはけっして文句を言っているのではなく、
  書くことで(痛がることで)気分を紛らわそうとしているだけですので。
  ま、痛いのは痛いわけですが。

ということで、ちょっと意気消沈しながら、今朝の採血データを見せてもらう。

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2009年7月11日
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函館中央病院
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体重 102.4kg

GOT  48
GPT  72
γ-GTP  146
LDH  216

総コレステロール  217
中性脂肪(LDL、悪玉コレステロール)  155

UA(尿酸)  8.7

「コレステロールは、まだ高いながらも下がってきましたが、
 こんどは尿酸値が上がってきました。痛風の症状が出てもおかしくない数値です。」
「なんもしてませんよ。」
「なにかが下がると、どこかが上がる。これはよくあることですから。」
「痛風は痛いって言いますね。痛いの嫌いです。」
「私も痛風の症状まで出ると面倒ですので、今日から薬を追加します。」
「うーす。」

過去の数値はこんなふうに推移している。

2003年12月 UA 7
2005年08月 UA 7.3
2009年06月15日 UA 7.8
2009年06月22日 UA 7.2
2009年07月07日 UA 8.0

順調に上昇。ちなみに正常値の範囲内はUA 7.0以下。

11時半、昼飯。
今朝、採血してくれた看護師さんが配膳してくれた。
「すいません。さきほどは。」
「あんまり病院内のことは、ね。」

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◆お、またキウイ。小学生のころ、本通生協にキウイが入荷したのを見て、
◆すごく食べたかったことを思い出す。1個100円だったな。

ご飯、カレー風味ムニエル、野菜の炒り卵、サラダ、キウイ。
ムニエルといえば、中学校の家庭科で習った料理だ。鮫川先生だったはず。

13時半、採血。あっさり成功。針を抜くとき、ちょっぴり痛かった。
14時、糖尿病教室。やはりビデオには前田吟。
講師の看護師さん(担当のSさん)に質問。
「糖尿病は不治の病と言いますね。空腹時の血糖値が110以上で糖尿病と診断されるわけですが、これはつまり投薬や食事療法なしでは、もう正常値には戻らないということなんでしょうか。仮に、糖尿病の完治するなら、それはどんな状態を言うのでしょうか?」
「患者さんによっては、治療によって薬やインスリンの量が減少することもあります。投薬・注射の必要がなくなる患者さんもいます。でも、食事・運動療法を続ける必要はあります。」
「食事療法ってのは、つまり常識的な食生活をしなさい。運動療法ってのは、それなりに動きなさいってことですよね? つまりは、ふつうに生きてろってことですよね。」
「そうとも言えますね。でも、インスリンをつくる膵臓の機能が弱っているという場合もありますから。」
ビデオはそれなりだったが、質疑応答は有意義だった。

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◆なんとなく撮影。しっかりハシゴ高なので満足。

15時、お出かけ。出かけに雨が降り出す。
病院前のサンクスで折りたたみ傘を購入。980円。
愛用のウォーキングシューズのゴム底がすっかりすり減ってしまったので、
新しく買い直すことにした。函館駅前の丸山靴店まで雨のなか散歩。

途中、昭和橋の手前で、Uターンして近づいてくる白い軽四あり。
なんじゃと思ったら、仙石くんの車だった。なぜか、背後から片原さんが駆け寄ってくる。
「あの、いまお見舞いに行こうとしていたんですが。
 入院してるはずの人が歩いてるのを発見して...。」
あー、悪い悪い。電話して来てよ。
「ちょっと大門まで靴を買ってくるからさ、30分後に電話するわ。ごめんね。」
こんな偶然もあるんだね。
いくら赤いポロシャツ(もちろん3倍早くなる。いや1.3倍か。)を着ていたとは言え、
傘も差していたに、予想だにしていない場所だし、すれ違いざまによく見つけたものだ。
くすくすと笑いつつ散歩を続行。

大門まで40分。意外と近いな。
さて、意気込んで丸山靴店に行ったら、シューフィッターさんはお休みでした。
店員さんは、同じ靴ですし大丈夫ですよ、と言ったが、
まぁ安い買い物でもないので、やっぱりきっちり足の診察を受けてから買うことにする。
名刺を置いて、後日あらためて訪れると伝える。
松風町電停から市電に乗車。整理券を取り忘れる。
中央病院前で下車。200円。
今日の歩数4956歩。往復で1万歩か。1時間半くらいの散歩ということか。

16時、改めてお見舞い。
仕事場お隣さんの仙石くん・片原さん、ペリー紙芝居で同志だったナオちゃん。
病院1階のドトールでお話。ぜんぜん病状の話をしなかったな。
まぁ、見舞い相手がパジャマも着ていないし、街を散歩してるくらいだから、
お見舞いのしがいがないのかもな。ラッシーの話をする。
退院の打ち上げ(?)は、生ビール電車を強く希望していると伝えておいた。

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◆いただいたお花。ありがとう。花をもらったのは22年ぶりだ。

17時10分、三人に見送られて病室へ。
いそいで、土曜の夕方のお約束「アバンティ」を聴く。話題は「1Q84」。
17時半、夕食の配膳。このタイミングで入浴。男性は月・水・土なのだ。

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◆これに秘匿しておいた朝食の牛乳を追加。まるで晩酌のような気がして、大いに満足。

17時50分、ちょっと遅れて夕食。見てよこれ。肉に芋っすよ。
ご飯、味噌汁、すき焼き煮、芋(サツマイモか?)、菜っ葉とキノコ、バナナ。
途中で、ちょっと残そうかと思ったほど。
まじで満腹。腹がふくれた。胃もたれ。なんて幸せ!
退院したらエンゲル係数は下がりまくりだな。
糖尿病の治療は生活水準をあげるということか。余裕のある生活をせよ、っつーことだ。

つーことで、今日もなんとか制限時間までに書き終わった。
仕事のときと同じ胃の痛みを感じるのは、なぜ?
7月10日(金)

とは言うものの、糖尿病での入院五日目。函館中央病院にて。

5時50分起床。昨夜は窓を閉めて寝た。明け方から強い雨と風。
気温16〜18度くらいがいちばん過ごしやすい。
朝、トイレに行くと俺の蓄尿セットがなくなっていた。
尿意を我慢しながら看護師さんに聞くと、昨夜で終了とのこと。
いちいちビーカーに入れるのが面倒で、小さな尿意は我慢していたのだが、
これからは思う存分に放尿できる。重畳なり。
尿は目盛りの付いた透明のビニール袋に溜めていく。たぶん満杯で2Lくらい。
幾人かの患者さんの尿備蓄パックが並んでいる。
どうしても、尿を袋に注ぎ込みながら、隣人尿と見くらべてしまう。
色が濃いと、ちょっと恥ずかしかったりして。

すっきりと放尿・快便の後に体重測定。102.8kg。それなりに減っているなぁ。
でも、腹も胸も二重あごも、とくに痩せた気がしない。
0.1トンを越えるクラスでは、10%くらい減量しないと見た目の変化はないようだ。

6時半、メールチェック。
NPO法人なちゅらす代表の赤石くんからメール。
 > お見舞いは
 > Hな本にしますね。
 > 食べものの制約が、ありそうなので・・・
 > しばらく
 > 白衣の天使と
 > たわむれて
 > ゆっくりしてくださいね。
お見舞いにエロ本ってのはデフォルトなんだろうか。
それとも、俺がエロと同類項なのか。もう4人に言われた。なんなんだ。早く持ってこい。
ありがとう。

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◆毎朝のお薬。これで朝だけだぜ。お腹一杯になりそうだ。
◆血糖と高血圧の薬。めまい(耳鼻科)の薬。

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◆充実の朝食タイム。味海苔かと思ったら焼き海苔だった。

7時45分、朝食。負け惜しみでなく、量には慣れた。
ご飯、白菜の味噌汁、さつま揚げともやしの醤油炒め、からし菜和え、焼きのり。

過食をふせぐコツとして、よく言われていることだが、なるほど見た目は大切である。
どんなに腹七分に慣れても、やはり量は少ないと思うし、
たとえどんなにご立派な料理でも、見ただけでは満腹にはならない。
しかし、これしかない、と非常な現実を視認すると、
これだけでなんとかやりくりせねばなるなまい、と思うものだ。
必然、食べるスピードは減速する。貪欲によく噛んで少しでも食べた気になろうとする。
5分で食べ終わるのは悔しいので、ちょっとインターバルを置いてみたりする。
お茶を飲んで、胃の中でメシがふくらまないかとたくらんでみる。
そうやって食べていると、
まぁ、これくらいなもんだろうと、心理的・胃の腑的にも納得できるのだ。

8時50分、昨日の午後から着手していた原稿を書き上げる。
デザイナーの和也さんにメール送信。
来週17日、道新(函館・道南版)に掲載される広告特集の読みもの。
海藻おしば」の紹介と函館開港150周年ネタ。
ペリー艦隊は箱館で海藻を採集し、標本=おしばをつくっている。
その標本はいまもハーバード大学に収蔵されているというお話。
川嶋昭二先生からお借りした書籍が役立った。

9時、病室に副院長が訪れる。体調はすこぶる良好とお伝えする。
入院生活も快適。退院後もメシを食べに通いたいくらいだ。
「ちょっと、ブログ・・・」...おっ、校閲が入るのか?
「書きすぎ。良く書きすぎだよ」。そっちか。でも正直に書いてるんだし。
健康食品の利用者コメントなんかとは違って、
(ほぼ)正真正銘、虚飾なしのユーザーコメントですから。
でも、本来は糖尿病の治療・訓練くらいで、入院なんかしてはいけないのかも。
要するに、あなたは自己管理なんてできないだろうから、強制入院しなさい。
そういうことなのである。
だからこそ、僕はこの2週間(予定では。)の体験を、
しっかり貪欲に吸収(知識と体験のカロリー制限はない)しなくちゃいけない。

9時半、皮膚科で足をチェック。15秒で水虫と診断。
「19歳の4月から水虫なんです」というセリフを用意していたが、言うヒマがなかった。
軟膏を処方していただく。痒くないけど、皮膚が剥がれてくるんだよね。
ちなみに、僕に水虫を授けてくれたのは、大学の寮の先輩でした。飯芽さん元気かな。

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◆空きベッド。

斜め向かいのおじさんが退院。昨日の退院した人もそうだったが、
病気を治して病院をあとにする人は、みな良い笑顔をする。
向かいのお爺さんもいつのまにか退院していた。
あっという間に、病室の先輩が3人ともいなくなった。
ということで、暫定ひとり部屋。差額ベッド料はナシ。

今週はふだんより仕事をしているので肩がこった。
俺しかいない病室でストレッチ。などをしているうちに昼飯、11時40分。

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◆明日の予定。15日には、もういちど7回採血が待ち受けている。

今日も食べようとしたWs先生の回診。
軽い運動の許可をもらう。できるだけ毎日、お散歩しようと思う。
検査データをもらう。明日、こんどは食後3回の採血だ。
痛いのは耐えるしかない。数値の変化が楽しみだ。

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◆ご飯、サラダ、鶏肉、ビーフン中華炒め。

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◆鶏肉。照り焼き。あぁ、鶏皮の脂身。ここでキミに会えるとは。
◆食事制限・食事療法の病人が、こんなに甘やかされて良いのだろうか。

Hakodadiさんのブログで、この入院日記を紹介してくれたようで。
  → HAKODADI Vol.2(IZA版)「糖尿病患者の貴重な入院記録
 > 今日で入院4日目。まだ10日間は楽しめそうだ。
 > (本人が途中で絶望のあまり無謀な脱走を図らなければだが)
くそ。余計な世話じゃ。ありがとうございます。

以前から思っていたんだけど、「糖尿病」という病名はひどい。
外国語の直訳なのかも知れないけれど、あまりに残酷な写実である。
糖尿病の合併症は血管に関するものが多いので、
血の病気の線で新たなネーミングを考えてほしいところだ。
以前、年上のフリーライター(いまは廃業)が、
「糖尿病はイヤだね。立ち小便したら、たちどころにアリが集まってくるんだぜ。」
と笑っていた。笑われるような病気になってしまいました。

ちなみに、人類が糖尿病を患ってきた最古の記録は、紀元前16世紀(3500年前)のエジプト古文書(パピルス)に書かれており、「体から生気が流れ出す病気」と説明されている。もっとも歴史のある病気のひとつだそうだ。しかし、糖尿病の原因(インスリンの不全)や治療法が発見されたのは19世紀後半から20世紀初頭にかけてである。
【参考文献:日本糖尿病学会編『糖尿病 治療の手引き』改訂第54班】

14時、糖尿病教室。ビデオに前田吟が出演してた。

15時、外出許可をもらってお散歩に。
一歩踏み出したとたん雨が降り出したので、
いったん病室に戻ってカメラを置いて再スタートする。
本町、杉並町、駒場通をまたぎ、白楊通を南下、時任町、人見通に入り、鈴かけ通を南下、的場町、日乃出町、高盛町、千歳橋で亀田川を渡り、千歳町、電車通りを北上し、堀川町、千代台町、本町。1時間ほど。
風が強く雨が降ったりやんだり。
千歳町「まる吉」の前で、天ぷらの香りにくじけそうになる。
電車通り沿いにある古美術・篆刻の店も気になる。
立派なもみあげをした店主が、店の前にイスを出して、
なにやらいわくありげな器でちびちびと茶を飲んでいた。
退院までには声をかけてみたい。

病室に戻ると新たな患者さんが入院していた。爺さんだ。よくしゃべる。
ひとり部屋は半日で終了。
夕方、一昨日から書いていた入院までの記録をブログにアップ。
今日はちょっと早めにブログ記事の整理を始める。

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◆キウイが続くなぁ。果物は瓜系とリンゴはダメを出してるからね。

17時35分、晩飯。早いのにも慣れた。コップに氷をもらいに行く。夕日がまぶしい。
ご飯(やわらかめ)、お麩の味噌汁、オクラの酢の物、平べったい焼き魚、海藻サラダ。
海藻はワカメとトサカノリか。うまいうまい。

アマゾンから本が届く。送付先を病院宛にしても、しっかり届く。
週刊文春で紹介されていた衿沢世衣子『シンプル ノット ローファー』。
とりあえずぱらぱらと読む。好感の持てる絵柄。
毎年のお仕事で、女子高校生のインタビューをしているのだが、
彼女たちの心理や興味や考え方に感心させられることがある。
だから、女子高生の日常を描くような作品は気になるのだ。

看護師さんから外出届を2通もらう。
明日の土曜日は15時から17時まで、
日曜日は糖尿病教室がないので昼食後から出かけるつもり。
事務所に行って、市立はこだて幼稚園の「海藻おしば」作品を完成させなくちゃ。

今日はここまで。
たまにはラジオを聞きながら、ベッドに寝ころんで本を読むことにする。
消灯という締め切りに追われる日々はストレスにならないのだろうか。
糖尿病の原因のひとつはストレスだという。明日、主治医に聞いてみようか。

【7月11日、一部改訂】
ここで入院のきっかけを書いておきたい。

すいぶんしばらく長いこと体調は悪かったのだと思う。
あれもこれもぜんぶ糖尿病の症状だったんだろう。
分かっていながら放置していたのだから。
とりあえず、その話は改めて書くとして、直近の入院までの経緯を書いておく。

内科の初診日は6月15日(月)。
その1カ月くらい前から、右脇腹に違和感があった。
酒を飲み過ぎると肝臓が腫れるというから、きっとそれだろうと思っていた。
体を右に向けて横になると圧迫感があった。
ちょっと酒を抜けば治まるんだよ。と、自己診断。
連休前後は、ひどい「めまい」を抱えながらも、奥尻やら花見やらで連日飲酒。
酒を飲むと、酩酊感で「めまい」が相殺されるので、
足下がふらつくにもかかわらず酒量は減らさなかった。

  「めまい」はその後ゆっくりと快方に向かった。
  飲酒でめまいが相殺される件に関しては、
  耳鼻科の瀧先生(函館中央病院)に話してみたら、
  「そんなこともあるかも知れませんね」と笑われた。

このころから日記ブログの更新が滞ってしまったので詳しくは覚えていないが、
手帳を見ると外での飲酒は週1回程度。自宅晩酌は3日に1度くらいのはず。
毎朝10時ごろ起きて事務所へ。メシは食べずに14時くらいまで原稿書き。
がっちょり昼飯を食べて、事務所の床で16時くらいまで昼寝。
21時くらいまで仕事をして、港町のアークスで半額弁当を三つ買って帰る。
テレビを見ながらビールを飲みつつメシを食い、酔っぱらって26時ころ就寝。
そんな生活スタイル。不健康きわまりなし。
しかし、朝メシを食べないのは仕事のため。朝がいちばん集中できるので、
消化に血をまわしたくないのだ。昼食までの数時間は、夜の数倍も働ける。

日を追うごとに、じんわりじわじわと脇腹の腫れが気になってくる。
じゃっかんの痛みもともなうようになってきた。
5月下旬から6月上旬は、田んぼと学校の取材で忙しかった。
取材中はしゃきっとしているのだが、事務所に戻ると疲労困憊して床に寝転がる。
原稿書きに集中できず、いつもより輪をかけて遅筆になる。

腫れを発見したのは、初診日の10日ほど前だ。
あれ? もしかして腫れてんじゃん。なんか痛いし。
正直に告白すると、僕はポコリとふくらんだ脇腹に手を当てながら、
怖くて怖くて仕方なかった。このとき、腫れの原因はてっきり肝臓だと思っていたので
もうきっと脂肪肝どころじゃない状態になっていると思ってた。
アルコール性肝炎もしくは肝硬変とか。

6月10日(水)、横になると仰向けでも痛みを感じるようになる。
食事後は、内側から圧迫されているような痛み。
気になって眠れない。この前日は、テレビの収録でたくさん飲んだので、
それが痛み増加の原因だろうと考え、しばらく酒を控えようと決めた。
朝、起きてすぐは、それほど痛みがない。
12日(木)の朝は、腫れも治まったような気もするし、気になるほどの痛みも無し。
よかった。病院に行かなくても良いかも。それにしても疲れやすい。
13日(金)。だめだ。腫れも痛みもぶり返してきた。寝ても治まらない。しかし週末。
めまいの時も、通院を迷っているうちに土日になってしまった。
それで、自宅から一番近い市立函館病院の休日外来を受診しようと思ったら、
他を当たってください、と断られてしまったわけだ。
土日は安静にして、月曜日に病院へ行こう。
ホームページで函館中央病院の外来受付時間を調べる。
かかりつけ医はいないし、どんな病気かわからないので、
やっぱり総合病院に行きたいと思った。ここ最近、通い慣れていた病院だし。

痛みと腫れにおののきながら週末を過ごす。
15日(水)、7時起床。痛い。腫れてる。熱い。
8時に中央病院到着。初診受付をして内科の外来受付へ。
問診を受けて、9時半くらいに診察。エコー検査。
「これかな。あーあー、ありました。膿傷ですねー。」
採血、検尿、CT(造影剤たっぷり)。結果を待って、ふたたび医師と対面。

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2009年6月15日
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函館中央病院
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体重 105.6kg

GOT 46
GPT 75
γ-GTP 301
LDH 360

総コレステロール 355
中性脂肪(LDL、悪玉コレステロール) 266

尿蛋白 4+
尿糖 4+

血糖 351
HbA1c 12.8


「はい。今日から入院です。」
「はっ、今日からですか? そらまた急ですね。」
「糖尿病ですね。数値がなかり悪いですよ。膿傷、体内に膿がたまっているんですが、
 ふつうの人ではありえません。糖尿病で抵抗力が落ちているからです。」
「ちょっと抱えている仕事もありまして。
 それを終わらせないと入院費もままならないし。2週間は長いし。」
「でも、体が腐っているわけですよ。膿があるのは筋肉の内側の深い部分です。」
「わかりました。先生、時間をください。」
「来週なら大丈夫ですか?」
「あー、でも来週だと、あのほら、高額医療費の手続きで損するというか」
「どうしましょうねー。糖尿病の治療と膿傷は同時に治療しないと...」
「いますぐの入院は無理ですが、毎日通院することはできますが。」
「じゃあ、今日から1週間、点滴をしに来てください。」
そんなわけで、その週は毎日朝10時半に通って点滴を受けた。

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◆初診日の帰り際に渡されたメモ。入院までの3週間は、ほぼ指示通りの生活をした。
◆飲酒は入院の4日前に、仕事(テレビ収録)のために1度だけ。
◆糖尿病の自己注射薬を宣伝するメモ帳なのが、なんとも脅迫めいていて効果的だった。


さて、これが1週間後の数値。

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2009年6月22日
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函館中央病院
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体重 105.6kg

GOT 41
GPT 61
γ-GTP 206
LDH 238

総コレステロール 259
中性脂肪(LDL、悪玉コレステロール) 182

尿蛋白 4+
尿糖 4+

血糖 229


「コレステロール値が100も下がってますね」
「いったいぜんたい、どんな食生活をしてたんですかね。自分のことながら。」
「ふつうはこんなに下がりませんから。」
「じゃあ、入院はしなくても良さそうですか?」
「いーえ。覚悟を決めてください。」

こうして、入院の申し渡しから3週間の準備期間を経て、
631病室の人になったわけである。

そして、入院翌日の結果。

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2009年7月6日
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函館中央病院
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体重 104.6kg

GOT 48
GPT 68
γ-GTP 171
LDH 220

総コレステロール 293
中性脂肪(LDL、悪玉コレステロール) 217

コレステロール値が上がっているのは、
収録後に食べたラーメンのせいかも知れない。
7月9日(木)

しかしながら、四日目となった入院。函館中央病院にて。

昨夜は洗濯機が使用中だったので洗濯を断念。
少し寝苦しくて、ちょっと涼もうと病衣(ねまき)を脱いで素っ裸になる。
油断してそのまま眠ってしまったようだ。
起きたらなぜか病衣の下だけ着ていた。この世には不思議なことがあるものだ。

5時15分、体重測定103.6kg。
とくに運動もしていないのに体重が地味に減っている。
ほぼ基礎代謝だけで減っているわけだ。ずいぶんと燃費の悪い俺。しかも馬力なし。
あっ、でも仕事をしているから、脳でカロリーが消費されているのかも。
ちなみに、俺の基礎代謝は【2310kcal/日】だ。
基礎代謝は(体重)×(基礎代謝基準値)で算出できる。
詳しくはWikipediaの基礎代謝のページを。

ロビーの窓から本町の繁華街を見おろすと、
男女4人が歩道に座り込んで楽しそうにお話をしている。
そうそう。いま時期は飲み明かすと外が明るくて、
飲み過ぎたなぁという脱力感と朝を迎えた高揚感がないまぜになって、
俺もよく道路に寝転がったものだ。ついこのあいだまで。

6時ぴったりに洗濯機を確保。テレビと同じカード式。
洗濯機200円(39分)、乾燥機100円(30分)。
洗剤は売店で購入しておいた。5袋入り105円。
カードを投入するもエラー表示。あれれ。乾燥機の方に入れたら、ちゃんと読み込んだ。
じゃあカードを取り出してと思ったら、ぴぴっと課金されて乾燥機が動き出す。
空っぽなのに。なんてことだ!
あわててトビラを開けると停止してくれた。開始ボタンがないのね。油断も隙もない。
お前の出番はこの後だ。100円で一喜一憂する生活。いや、それは入院前と変わらないか。

7時、洗濯機へ。おお、悲しい現実。乾燥機の度数が失われていた。
可動していなくても時間は減算されるわけか。くそっ。
ということで、ふたたびカードを挿入して乾燥工程へ。

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◆あぁ、奥尻に行きたいな。島では立茎アスパラの栽培が盛んです。

7時半、朝食。
ご飯、炒り卵(アスパラ入り)、ホウレンソウ、味噌汁、牛乳。
20分ほどかけて食べる。栄養士さんが、食事の途中で何度か箸を置くように、
と言っていたので実践してみる。というか、ゆっくり食べてると、自然とそうなる。
ざらざらと薬を飲む。入院してから5錠も増えた。

7時45分、乾燥機を確認。洗い物はバスタオル・ハーフパンツ・下着類だけだが、
ポリエステルのハーフパンツ以外はまだ乾燥が足りない。
さらに100度数(100円)を追加。いけ乾燥機。すべてを乾かしてしまえ。
8時20分、乾燥終了。ほかほかだ。

ちらりと看護師さんの詰め所を見たら、忙しそうにいろいろ準備してた。
日中は8〜10人ほどの看護師さんがいる。
向かいのベッドの爺さんが、けっこう体が不自由らしく頻繁にナースコールで看護師さんを呼ぶ。
時間帯によってお世話をする看護師さんは違うのだが、
それは当然のことなんだけど、それぞれに個性があっておもしろい。
あと、病院内のヒエラルキーも垣間見える。
やっぱり、それぞれの資格取得の難易度に合わせた順位があるようだ。
看護師と外部のヘルパー(有資格者かどうかは不明)の会話を聞いていると、
そのへんが明らかに漂ってきたりする。

病室の窓から外を眺めていたら、綿毛というか羽毛のようなものが、
いくつも舞っているのが見えた。なんだろう。鳩の巣でもあるのか。ちなみに鳩は嫌いだ。
入院前からの足先のしびれがおさまらない。血糖の影響なのか、腰から来ているのかわからない。
いちおう看護師さんには伝えてあるが。少し手の指先にもしびれを感じる。
10時半、血圧測定。162の103。ちょい高め。

お隣にご家族が来ている。本日退院。木直(南茅部)の人らしい。
カーテン越しに会話を聞いていると、
どうやら地元の祭りに間に合うように退院したかったのだが、
それは「もう緒わっちまったよ」と言っていた。
たぶん奥さんの声だろう。いかにもな下海岸(正確には南茅部は陰海岸)言葉で、
録音して保存しておきたいくらいだった。
インタビュー記事を書くとき、なるべくそういった言葉の雰囲気を伝えようとするのだが、
やはり生の音にはかなわなくて悔しかったりする。
その点、テレビやラジオはストレートに伝えることができる。
しかし、あの業界にちょっと違和感を覚えてしまうのは、
取材対象者に同じことを何度か言わせること。リハーサルと称して。
放送上は「生」かも知れないが、声は「生」じゃないのではなかろうか。

看護師さんに、このブログはどこで読めるの? と聞かれたので名刺を渡す。
これで悪口を書けなくなった。書いてないけどさ。

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◆たしか小学4年生ころ、サバがバカみたいに豊漁で、毎日サバばかり食べていた。

11時45分、昼飯。
ご飯、サバ塩焼き、茄子味噌炒め、枝豆おろし、バナナ半分。
昨日の糖尿病教室で栄養士さんが「塩分はご飯をもっと食べたくなってしまうので控えめにしています。小袋のおしょうゆは5ml入っていますが、あれは使ってください、ということではありません。できれば使わずに、素材の味を楽しんでください」と言ってた。
うーん、そのわりに味付けがしょっぱい気がするんだよな。
俺が塩気よりダシを重視する口だからか。
ふだん食べないバナナも、これしかないので食べる。
エビとバナナは嫌いじゃないけど食べないのだ。いつもはね。
岩波新書に『バナナと日本人』『エビと日本人』という名著がある。

12時半、斜め向かいのご夫婦の会話。
明日退院だと話をしている。奥さんに、すぐ連絡しなさい、と叱られてた。
「おとうさんがたは車で行くでしょ。どこでもすぐに。でもおかあさんたちはバスに乗って帰ると、もう晩なんだわ。疲れちゃう。バスって、そんなもんなんだわ。」
ここ、函館中央病院ほど交通至便な場所にある病院はないだろう。
電車もバスも目の前を走り、真ん前で停車する。
そんな場所にあっても、不便さを感じる人たちはいるのである。
都市における公共交通の対策、
ましてや、加速度的な高齢化に直面しつつある函館では、
これほど重要なことはない。街ごと寝たきりになりたくなければ、だ。
 話が逸れるが、港町にある市立函館病院なんぞは陸の孤島である。
 交通弱者への対策ひとつなく、あの場所へ移転を決めた人たちの気が知れない。
 お隣の亀田港町の住民が言うのだから間違いない。

13時10分。
看護師さんに糖尿病の低血糖症状について小テストを受ける。
今朝、入院初日に渡されたプリントを見ておいて良かった。

NCVの一森さんから電話。「函館酒場寄港」のナレーション録りの件。
来週月曜日の夜に病院で録音することにした。
ついでに、病棟を取材しちゃえばいいんじゃない。無許可じゃまずいか。
入院の三日前に収録して、入院中に録音・編集し、退院翌日から放映となる。

14時、糖尿病教室。今日はフットケアのお話。
パワーポイントでつくったらしいレジュメがあるようだが、
それを映し出すパソコンやモニターやプロジェクターがないらしい。
たぶん、お話だけでは印象に残らないかも。

14時40分。今日はこれから外出。座布団を買ってこなくちゃ。
ずっとパイプイスに座っていたら、お尻のほっぺが痛くて。
リュックを背負って出かけようとした矢先に、Ws先生の回診。
「外は誘惑が多いですからね。」
同じことを二人の看護師さんにも言われた。信じてくださいよ。
たぶんですね、入院中の僕は至極真面目だと思います。問題は退院後なんです。
7回採血したときの結果を教えてくださいとお願いする。
あとでコピーしてくれるそうだ。ありがとうございます。

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◆緒川ラッシー。2002年生まれ。♀。姓は女優の緒川たまきから。

17時半には戻ると届け出をしたので、外出の時間制限は3時間弱。
事務所まで歩いた場合の所要時間がわからないので、
行きはタクシーを使うことにした。15時前に事務所着。
郵便物などを確認。停めておいた車に乗って自宅へ。やはり郵便物を確認。
亀田港町のイエローグローブで、低反発座布団を購入。1170円。
事務所に戻って、預けている亀(緒川ラッシー)と戯れる。
まだ16時ちょい。病院までは歩くことにする。
海岸町、大縄町、上新川町、中島町、千代台町、時任町、本町でゴール。
蒸し暑さもあって、けっこう汗だく。めまいが再発気味で少し足がふらついた。

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◆大縄町にて。午後12時ってのは深夜のことだとは思うが。ちょっと違和感。

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◆今日いちばんの誘惑。中島町にて。

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◆謎の看板。店先を覗いてみたが不明。知っている人はご一報を。
◆中島廉売の入り口付近にて。

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◆じゃあ、行きません。千代台町にて。ギネス飲みたし。

16時45分、病棟に戻る。
どうでしたと聞かれたら、「お腹一杯です」と言おうと思っていたが、
なんだか看護師さんは忙しそうだったので、とくに構ってもらえず。

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◆ディナー。肉じゃがには肉が入っていなかった。高望みはいけない。

17時40分、夕食。おもわず小声で歓声をあげる。
今日も肉だ。じゃがいもだ。こんなに贅沢しても良いのかしら。
どうやら夕食の量は間違ってはいないようだ。
たしかに少ない。でも、それなりの量は食べることができる。1840kcal万歳。

18時すぎ、和也さん来訪。
お茶ペットボトルと、なぜかタイガーマスク(マンガ本)を差し入れにいただく。
道新「港まつり」特集の記事資料をもらう。締め切りは日曜日。
病棟のロビーで、パソコンを2台ならべて打ち合わせ。
和也さんは8月1日に、中央病院で検診を受けるそうだ。お父さんだしね。
19時半、和也さんを見送り。

例のごとくブログの記事整理。
夜風が涼しい。今夜はちゃんとパンツをはいて寝ようと思う。

【7月11日、一部改訂】
7月8日(水)

そうはおっしゃるが、函館中央病院での入院三日目となった。

昨日の採血7発は辛かった。痛がりだからね。
21時、7回目の採血。もう手の甲はイヤですと伝える。
左腕。「細い針にしましょう」。あら、痛くない。幸せな気分で就寝。

やはり4時半に起きる。外は雨だ。雨音はショパンの調べ
お出かけしない日の雨降りは大好きだ。二度寝。6時10分に起きる。
目を覚ます直前、ずいぶんと大きめのイビキをしていた。
ふぐぅわがががが。
ちょっと恥ずかしくなって、咳払いとかしてごまかしてみたり。
ごまかせてないか。含羞は文化的生活において大切なことである。
血圧測定、190の132。
たぶん起きぬけは、睡眠時無呼吸症候群の影響で高いんじゃないかと。

昨日、地下の売店で購入した洗面器とボディーソープで洗顔。
あぁ、坊主で良かった。顔も頭も丸ごと洗ってしまう。
もみあげの手入れ。なぜか、ここだけ伸びるのが早いんだよな。
頭頂部の毛髪も、もう少しがんばれよ。

「高山さん、体重測定を忘れてますよ」と呼び出し放送。
忘れてました。104.2kg。でも、104kgちょうどで申告。
今日はすでにジーンズ(ベルト有り)に着替えていたので、
寝間着より200gくらいは多いだろう、ということで。

7時20分、メールチェック。
先月、丸善滝澤での番組収録で隣り合わせた神奈川の「たかやま」さんからメール。
ブログを見たとのこと。もうすぐDVDが届くと思うので。お楽しみに。

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◆神奈川のたかやまさん。右の人は今金町出身で東京在住。あれは6月9日、最高に楽しい酒でした。「函館酒場寄港 第3話」は7月19日までNCVでリピート放送中です。

東京の弟からもメールが来てた。どうやら徹夜明けのようだ。
彼は漫画雑誌の編集長である。遅筆の作家たちに泣かされてるんだろう。
くっくっくっ、泣け泣け。俺は編集者の気持ちはわからないことにしている。
お互いに因果な商売を選んだもんだ。

弟のメールから。タイトルは「びっくり」。
 > 入院してしまったとは。
 > 自分が20年近く前に入院した時は、
 > この世の終わりかというくらい絶望したものでした。
 > (ひと月は泣いて暮らした
 > まあそのうち諦めというかなんというか、
 > 狭い世界が自分の世界になり、
 > なんとなく特別な存在な気がして(そういう逃避?)
 > 慢性病棟の澱んだ怖さを退院後思ったものでした。
 > あとブログは超チェックしてますので
 > しっかり更新してください。
 > 採血のくだりは にやにやしたw
 > あれってほぼ 若い=下手、年配=上手い
 > 自分も手の甲から何度もやられましたわ。末端は痛い。

いや甘いな。採血に関する技術レベル(痛いか痛くないか)に関して、
年齢は絶対条件ではない。たぶん、刺すのが好きな看護師さんは上手なんだと思う。

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◆朝食。味噌汁が熱ければ満点だ。ま、病人食だから。

さて、朝食。ご飯、味噌汁(豆腐)、さば生姜煮、オクラおひたし、牛乳。
オクラの緑があざやかだ。よくよく噛んで食べる。
さば生姜煮は病棟内でも美味しい評判だったようだ。同意。
どうしても汁まで飲み尽くしてしまう。
外はけっこう強い雨が降っている。少し窓から吹き込んできた。

8時から「ふっくりんこ蔵部 田んぼブログ」の更新作業。
こちらも体調不良を理由に、ずいぶん放置してしまっていた。取材分が溜まっている。
PHSを使ってネット接続をしているのだが、
回線が細いので写真のアップロードに時間がかかる。
9時30分、血圧測定157の110。

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◆病室のテレビ。液晶ワイド。地上波+BS+CS、ぜんぶで18chもある。充実。
◆プレペイドカードによる精算方式。1時間で120円。

11時40分、お昼ご飯。
さて食べようと思ったら、主治医Ws先生の回診。

「血糖の数値は良かったです。いやいやいや、あの、悪いながらも良い方向に推移しているという意味です。食事療法の効果が大きいようですね。今後もう少し時間をかけて、食投薬もしくは自己注射が必要かを判断します。明日から積極的に血糖値を下げる薬を飲んでもらいますので。」

ほらね。へへへ。1日や2日の入院で変化はしないだろうから、
先生の診断を受けてから入院までの3週間の節制のおかげだろう。
ちょっとだけ自信がついた。
あっ、数値を聞くのを忘れちゃったな。

「血圧が高いですね。薬で少し下がりましたが、まだまだです。こちらも薬を追加します。」

親父もずっと血圧の薬を飲んでるからなぁ。

「尿のタンパクですが、これは糖尿病だけの影響ではないかも知れません。糖尿による腎臓への障害は、長い年月を要するものですから。今のところ腎臓機能は正常です。でも、タンパクが出ています。ネフローゼの可能性があって、ステロイドという薬が効くタイプと効かないタイプがあります。後者の場合は残念でした、なんですが。いずれにしろ、詳しく調べるためには生検が必要ですので。今すぐというわけではありませんが、検査をしたほうが良いと思いますよ。」

そっか。生検はブツリと針のようなものをさして、内臓の細胞を採取して検査するってやつだ。中島らも「今夜すべてのバーで」という作品に、肝臓の生検の描写がある。それを読んで以来、生検と聞くと及び腰になって逃げ出してしまう。腎臓は放置しておけば人工透析だし。ま、覚悟を決めるか。
でも、こんな会話を公開しちゃったら、もう生命保険とか医療保険には入れないなー。どこか製薬会社のスポンサーとか付かないだろうか。

「食事はどうですか? 足りますか?」

ぜんぜん足りませんよ。でも、3単位(240kcal)多めにしていただいたこと、
食事のたびに感謝をしております。ほんと。でも、米をもっと食いたい。
ところで先生、ブログは見ましたか?

「あのですねー、実名はやめてくださいよぉ。」
あははっははは。笑ってスルー。
それどころか、先生の顔写真を撮影しようと思っていたのですが。
「やめてくーだーさい」。逃げられた。
患者の軽口にも付き合ってくれる良い先生だ。

   ※7月11日以降、匿名表記になっています。ご了承ください。

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◆昼食。百点。

改めて昼食。
わかめご飯、鶏肉のポン酢大根おろし、ホウレンソウおひたし、キウイ。
肉である。しかも好物の鶏肉である。酢の味付けも好き。いいね。
誰だ? 俺に中央病院のメシはうまくないよと吹聴した奴は。
やはり現場に行くことは大切だ。
自分の目と耳と舌と感性で取材しなければ、真実には出会えない。
廊下に張り出してある献立表を確認すると、
常食(カロリー制限の無い皆さま)は鶏が豚肉で、カボチャ煮が付いていた。

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◆鶏肉おろしポン酢。うめー。

昨日の連続採血はイヤだったが、
ある意味でイベントみたいなものだったので退屈しなかった。
今日はとくに検査もないので、単調な一日になりそうだ。
昼食後、昼寝をしてみた。15分くらい。
13時過ぎ。シーツ交換。二人がかりで、てきぱきぱきと交換していく。

13時40分、敦賀さん来訪。いつも母親のことを聞かれる。
「神戸こむぎ館」のパンをいただくも、食事制限中ということで泣く泣く返却。
中央病院の1階売店に「神戸こむぎ館」のパンが並んでいる。
先々週、点滴のために毎日通院していたのが、そのときにハマってしまった。
お昼はチーズサンドとハム玉子サンドばかり食べてたのだ。
11時ころ入荷するようだ。おすすめ。ハコダテ150でも紹介されている。

14時、糖尿病教室。
昨日お話をした管理栄養士のTさんが講師。

腹八分と言いますが、今は腹七分が常識です。八分は古いです。」
そうなんだ。やはり飽食の時代だからか。

「仏壇のおやつから見直しましょう。お亡くなりになった人の好きだったものをお供えしていると言いますが、実際にお供え物を食べるのは私たちですから、かならず自分の好みの菓子を買って供えているはずです。」

なるほどね。俺も墓参りに行くときは、マドレーヌとかレモンケーキを買うもんな。
墓の中の祖母さんが好きだったかどうかに関係なく。

「糖尿病の治療にはストレスをためないことも大切です。人生はなるようにしかなりません。食事療法をがんばる。そして、たまには自分にご褒美をあげる。2、3日で終わるものではありません。食事制限とは、これから一生付き合っていくんです。一日でも長く続けられるようにしましょう。」

これは昨日、外舘さんとみっちり話し合ったことだ。
がちがち厳密な食事制限には、おそらく長続きしないだろう。

「糖尿病に良いアルコールはありません。基本は禁酒です。」
よく焼酎は良いんだよ、とか言うよな。あれは飲んべえの言い訳です。

14時40分、病室に戻ると雑誌の入った袋が。
なんだなんだと中を探ってみると、
ハコダテ150のお仲間(アニキ的な存在。姉御か。)である洋梨さんの名刺が。
さっそくメールで留守を詫びる。夕方、洋梨さんからの返信。

 > 最初は熊田曜子、高岡早紀などのエロ本を差し入れようと思ったのですが、
 > 治療に差し障りがあってはいけないと思い、刺激の少ない雑誌にしました。

あのね。いや、もう、ありがとうございます。
でも、その程度のエロ本じゃ刺激になりませんから。ご安心を。何を?

15時、今日は男性の入浴日。昼間からお風呂。病人の特権だ。
蒸していたのだが、風呂上がりはすっきり。
看護師さんに明日の外出許可をお願いし、主治医の許可をいただく。
17時、血圧測定。146の94。お、まともだ。でも、あんまり体調変化なし。

17時半。もう晩飯。
んんんんんんんん? どう考えても量が多いような。
メシの盛りも多いし、皿数も入院後最大だし。食べて良いのかな。
ご飯を残したほうが良いかしら。いやでも、ご褒美かも知れんし。
急に「あっ、これ違います」とか言われて、持ち去られないだろうか。
「食べちゃったんですか。あーあ。」とか言って呆れらのもイヤだ。
そんなことを考えながら食べていたら、あまり味わえなかった。だが、満腹。
真相はいかに。まぁ、もう食べちまったが。

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◆ビールを500缶で2本はいける。多いでしょ。どう見ても。

18時半、ちょっとずつ断片的に書いておいた今日の日記を、
ひとつにまとめる作業を始める。毎晩、これに時間がかかっている。

メールチェック。やはりハコダテ150仲間のぷーさんからメール。

 > 退院後はスリムな高山さんになってるんでしょうか?

どうなんでしょうか。
このくらいの食事制限だと、2週間で3kg減くらいじゃないだろうか。
たぶんですね、10kgくらい痩せても、あんまり見た目は変化ないかと。
少し俊敏になっているかも知れませんが。

あとは洗濯して眠るだけ。
20時、おお、眠くなってきたよ。明日は外出だ。楽しみ。

【7月11日、一部改訂】
7月7日(火)

そんなわけで、函館中央病院での入院二日目。

昨夜は消灯ぎりぎりまでブログを書いていたら、
「消灯です。時間だけは守ってください。」と言われて、
ズバッと部屋の電灯が消される。それがルール。
21時になんか眠れるかよ、と思っていたが、暗くなると眠くなるもの。
携帯電話でツール・ド・フランスのテキストライブをチェックしているうちに、
いつのまにか眠ってしまっていた。
ちなみに、昨日のステージは別府選手が8位入賞。
日本人選手ふたりが刺激しあって良い結果を出している。
くそっ。見たい。
窓は開けっ放しにしておいたのだが(窓際で良かった)少しだけ蒸し暑い。
4時半に起きてしまう。もういちど眠ろうかと思ったが、
どうせ今夜も9時には消灯だ。5時にはベッドを抜け出して仕事をする。

6時半、病棟がざわつき始める。
体重計測。104.2kg。まぁ、一日じゃ減らない。
7時、採血。今日は朝から晩まで7回の採血が待っている。
右腕・左腕と失敗して、看護師さんが交代。けっきょく右手の甲で採血した。
血管が肉の奥深くにあって刺しにくいらしい。
ロビーで朝のNHKニュースを見る。物騒な事件ばかりだ。

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◆待望の朝食。朝日に照らされた白米が美しい。

7時半、お待ちかねの朝食。
ご飯、味噌汁(白菜)、鮭水煮缶、
もやし和え(献立には「梅びしお」とある)、牛乳(180ml)。
今朝のご飯は固め。好みの加減だ。
お米の仕事をしていると、低たんぱく米(低いほど食味が良い)だとか、
アミロース(ねばり)とか話したり書いたりするのだが、
ご飯の美味しさは炊き加減も大きいってことだな。
やはり、ゆっくりゆっくり食べる。好きなおかずばかりで幸せだ。
子どものころから愛飲している牛乳。ここでお前に会えて嬉しいよ。
ストローを差し込んで飲もうとしたら、5mlくらい吹き出してしまった。
もったいないことをした。拭き取ったティッシュがうらやましい。

看護学生の血圧測定。180の132。体温35度。
窓から差し込む朝日はまぶしくて、吹き込む朝の風は爽やかだ。
掃除の人や看護師さんが、この部屋に入るたびに、あら涼しいと言っている。
9時半、2回目の採血。担当看護師。右腕に一発で決める。
10時、和也さんに電話。道新の花火企画記事について。
メールチェック。はこだて幼稚園の先生からメールが届いていた。
星野さんからもメールあり。
 > 飲食店街に隣接する中央病院。
 > そこでしっかりと体調管理・生活習慣の改善に専念するという
 > 強い決意が高山さんの明日への希望を繋ぎ、
 > 多くの読者の希望の応える道。
 > 辛いでしょうががんばってください。
 > 次の50年のハコダテのため、いや日本の明日のために。
 > 今日あたり、高山くん抜きの「飲み会」を
 > 中央病院近辺で開催するとか・・そういう悪趣味はやりません。
 > やるときは黙って。
 > 亀は大丈夫生きています。
 > かなり新しい保護者にストレスがあるようで、一日中暴れていましたが。

11時、3回目の採血。同じく担当看護師。左腕で失敗。右腕で成功。
この看護師さんの採血は痛みが少ない。

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◆ノンフィクションです。このままのレイアウトでした。
◆どんぶりにはふたが乗っていたので、この写真以上のショックを受けました。

11時半、昼食。
さすがに、このトレーを見たときには、鬼嫁にいじめられている姑の気分になった。
しかし、どんぶりのふたをあけてみると、そこにはたっぷりの素麺が。
やった。麺類。まるで給食のメニューに一喜一憂する小学生気分だが、
食べることは幸せ直結だから。
どんぶりを持つ。ずしりと重い。手に温かみは伝ってこないので冷めているのか。
まぁ、それは仕方ないだろう。
ひと口食べてびっくり。かけの冷やし素麺だった。うまいうまい。
素麺ってのびないんだな。それとも、なにか秘策があるんだろうか。
星形のニンジンと錦糸玉子がのっている。
なんだろうと思って献立表を見たら、「七夕そうめん」と書いてあった。
いいよね。こういう細かいイベントもの。すごく大切なことだと思う。
食べても食べても減らなくて、つくづく嬉しくなる。満腹だ。
食った食ったと週刊誌を読みながら横になっていたら、
看護師さんに「栄養指導の時間ですよ」と呼ばれてしまう。
すっかり忘れてた。

12時7分、1階で栄養指導。管理栄養士のTさん。
実は食事療法のための栄養指導は3回目。以前通った病院で経験済み。
通常は家族とともに指導を受けるものである。
妻を出稼ぎに出している僕は、ひとりでの受講となる。

「知識としては頭に入っています。自分なりの目標も決めました。
 ただ、それを『継続する』ことに不安というか自信がありません。
 過去の実情を振り返っても、たぶん、これまで通りだと2カ月が限界かと。
 まずは、そのことについて、具体的な助言をいただきたいです。」
「わかりました。それでは、逆にご質問いたしますが、
 高山さんは食事療法をどこまで真剣に取り組むことができますか?」
「これまで、月に5〜6回のお出かけ飲酒と自宅での飲酒で、
 ほぼ三日に二日の頻度だった飲酒を、月に2回にしようと思います。
 ゼロにはできません。たぶん、その目標だと、すぐ反故にするでしょう。
 食事療法にを完璧にこなすのは難しいですが、
 量と質ともに、これまでのあまりに爛れた内容は改めていきます。」
「お約束できますか?」
「確約はできないのですが、たぶん、月に1回くらいの頻度で
 診察や栄養相談を継続していければ、モチベーションは下がらないかと。
 基本はイイフリコキなので。数値が下がっていくのも楽しいし。」

こんな感じのやりとりをした。
最初、あまりにひどい食生活の現状を聞いて、Tさんも険しい表情だったが、
話しを進めるなかで俺の不安と懸念を理解してもらえたようだ。
そんなわけで、これまでで一番身になる栄養相談だったと思う。

最後に外舘さんとNCV「函館酒場寄港」の話をする。
月2回の飲酒のうちの1回分の飲酒が番組用ですと説明。
今月20日から放送される花園商店街「藤吉郎」の話になる。
店の場所を聞かれて、むかし「ボンいなふね」という店があって・・・
と言ったら、わかるわかる、実家が近所ですから、と。
僕も日吉ヶ丘小学校のときの通学路でした。
あら、まぁ、同窓生。思わず校歌を歌ったくらいにして。
 ♪ 丘 丘 丘だ 日吉ヶ丘だ 朝日がさせば 輝く丘だ
 ♪ 海 海 海だ 巴の海だ  世界に続く ●●の海だ (歌詞忘れた)
小学生ながら、「世界に続く海だ」の歌詞にしびれたものだ。

13時20分、星野さんのご学友で副院長の粉川さんが来訪。
ブログを見たとのこと。2〜3日は内緒で書こうと思っていたのに。
その後すぐに、院長と事務部長も訪れる。
すっかりブログの記事を読まれていたようで、こちらが恐縮。
院長には、しっかりと食事療法のコツを覚えてください、とご指導いただく。
僕の記事は不平や不満ではなく、ユーザーの正直な体験感想記と捉えてください。

13時半、本日4回目の採血。右腕。
看護師さんに、院長とお知り合いなんですか、と聞かれる。
さっき知り合ったばかりだけど。
血中コレステロール値を下げる薬が追加になる。また増えた。
2週間で退院できるんだろうか。少し不安がよぎる。

14時、看護師さんに呼ばれて、これまでの生活について
取り調べを受けて供述調書をとられる。
改めて振り返れば、とにかくひどい生活だった。
(このことは別項で書く。)
看護師さんに、何度が重度のあきれ顔をされた。
その後、糖尿病神経障害の検査。足の裏をこちょがされる。
ちなみに、こちらの看護師さんも番組の視聴者だった。NCVすげーな。

15時40分、とつぜん市丸くんが来訪。ハコダテ150の編集スタッフ仲間だ。
どうしてわかったの?と問えば、ブログを見たとのこと。
2カ月も放置していたブログなのに、ずいぶんアンテナ張ってるなぁ。
なんでもお祖父さんは、中央病院の関係者(偉い人)だったそうだ。
クラシックカメラの話をする。就職活動がんばれ。
苦しくても、自分の好きな仕事に就くのが一番だよ、と無責任にアドバイス。

16時、看護学生のふたりがご挨拶。実習は今日までということ。あら、残念。
記念に写真をと思ったら必死で避けられた。
高山さんの親戚確認をするのを忘れてたなぁ。そのうち、結婚式か葬式で会うだろう。

16時半、北日本海運の高橋さんに電話。
「お父さんが、見舞いに来るなと言われた、と愚痴ってたよ」
まぁ、僕なりの親に心配をかけまいとする配慮ですから。

曇り空。
17時、5回目の採血。右手の甲から。

17時半、ほけん堂の船岡さんに電話。中央病院と繁華街の誘惑について話す。
素早く保険の手続きをしてくれる。ありがたし。

090707-12720.JPG
◆これで260円。素晴らしい。万代食堂なら650円だ。食事も国保3割負担なんだろうか?

17時40分、夕食。おおっ、なんてことだ。すごい量じゃないか。
心なしかご飯も多いような気がする。
衣つきの煮魚。あぁ、こんな高カロリーっぽいものを食べて良いのかしら。
食べ過ぎで胃がもたれそうだ。焼き茄子、お麩の味噌汁、枝豆。
誰かのと間違ってんじゃないのか?
などと心の中でつぶやきながら夕食と感動のご対面をしているときに、
星野さんから電話。あと5分くらいでお見舞いに行くから、と。
なんてこった。この豪華な晩餐を急いで食べなくちゃいけないのか。
30分で食べる予定を5分に短縮。枝豆は冷蔵庫に隠しておくことにする。

17時50分、星野さん来る。ドトールで話そうということで1階へ。
エレベーターから降りたら主治医のWs先生と鉢合わせ。
「あっ、高山さん。あくまで、お仕事のための飲酒を許しただけですからね。
 本当は心を鬼にして禁酒と言いたいところなんですが。」
先生、もちろんわかっております。
僕の心の中では、1カ月の飲酒回数は番組収録ともう1回と決めていますので。
っていうか、看護師さんや栄養士さんに、
主治医から月1回の飲酒許可をもらったと吹聴していたから、
どこからかツッコミが入ったのかな。
ごめんなさい。今後はちゃんと説明します。

アイスコーヒーをご馳走になりつつ星野さんと世間話。
七夕における競争原理について。
七夕における伝統技術(空き缶カンテラ)の継承について。
政治資金規制法について。
入院生活について。
現代の若者の精神構造について。
楽しかった。

星野さんと話している途中、NPO法人なちゅらすの岡田さん親子に遭遇。
どうやらお子さんがケガをしたようだ。ほっぺに大きな絆創膏をしていた。
いま入院してるんすよ、と伝える。
今年は奥尻のプログラムをお手伝いできなくてゴメンね。
 → 17日18日19日 奥尻島での宿泊体験学習

19時40分、本日6回目の採血。
看護師さんの詰め所にいくと看護師さんがひとり。
採血をお願いします、と声をかけると、「採血ですか...」と顔が曇る。
いやーな予感。
刺し直しは辛いので、自ら右手の手の甲を差し出す。
ぷす。ぐぇ、痛い。ぐりぐりぐり。逃げる血管。失敗。
別の看護師さんにバトンタッチ。左手の甲。ぷす。ぐぇ、痛い。でも採血は成功。
両手とも採血箇所がぷっくり腫れる。
あと1回。次は21時の就寝直前だ。なかなか痛みが引かない。もうイヤだ。
やせたら血管は浮いてくるかしら。

ということで本日はここまで。半日くらいブログを書いてるな。
明日はもうちっと仕事をしよう。

【7月11日、一部改訂】

プロフィール

高山潤
函館市および道南圏(渡島・檜山)を拠点に活動するフリーランスのライター、編集者、版元、TVディレクター、奥尻島旅人。元C型肝炎患者(抗ウィルス治療でウィルス再燃、インターフェロン・リバビリン併用療法でウィルス消滅で寛解)、2型糖尿病患者(慢性高血糖症・DM・2009年6月より療養中)。酒豪。函館市(亀田地区)出身、第一次オイルショックの年に生まれる。父母はいわゆる団塊世代。取材活動のテーマは、民衆史(色川史学)を軸にした人・街・暮らしのルポルタージュ、地域の文化や歴史の再発見、身近な話題や出来事への驚きと感動。詳しくはWEBサイト「ものかき工房」にて。NCV「函館酒場寄港」案内人、NCV「函館図鑑」調査員(企画・構成・取材・出演・ナレーション)。


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